研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、自己免疫や慢性炎症に重要な炎症アンプの分子機構の解析である。炎症アンプは非免疫細胞において、転写因子NF-kB、STAT3の活性化によって誘導されるが、それぞれの転写因子が核内で相互作用する事が炎症アンプの形成に重要であることが強く示唆されていた。本研究においては、内皮細胞やがん細胞など、様々な細胞の中でも炎症アンプが強く認められた細胞株を用い、IL-17とIL-6の単独刺激、また共刺激下において、NF-kB、STAT3がゲノム上のどの領域にリクルートされるのかをChIP-sequence法によって詳細に検討した。また同時に、RNA-sequence法により、炎症アンプによって発現誘導される遺伝子を複数のタイムポイントでゲノム網羅的に解析した。現在、それぞれのデータを統合し、転写制御モジュールの解析と共に、炎症アンプの標的遺伝子のプロモーター・エンハンサー上でNF-kB、STAT3がどのような挙動を示しているのかを解析している。今後、これらの解析から浮かび上がる炎症アンプの分子基盤に重要な分子について、レンチウイルスやCas9/CRISPRによるサイレンシングを行い、機能評価を行う予定である。また、IL-17、IL-6刺激によりNF-kB、またSTAT3が異常なシグナルを示す領域も同定しており、これらの領域についてもCas9/CRISPRシステムを用いたgenome editingにより、機能解析を行う予定でいる。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
Journal of biochemistry
巻: 156 号: 6 ページ: 299-304
10.1093/jb/mvu057