研究課題
基盤研究(C)
膵癌患者では血清CXCL12値が有意に高値であり、特に転移症例でより高値であった。切除標本では癌組織の辺縁にCXCR4が発現し、その周囲の間質にCXCL12発現細胞を認めた。またCXCL12刺激による膵癌細胞株では、癌の進展に関与する上皮間葉転換因子のE-cadherinの発現は低下し、Vimentinの発現が増加していた。膵特異的CXCR4ノックアウトマウスと膵癌モデルマウスとの交配マウスでは、膵癌発症、転移巣および死亡率はいずれも低値であった。さらに本マウスでは前癌病変PanINの数にも差を認めた。以上より、CXCL12/CXCR4は膵発癌および進展に重要な役割を持っていることが示された。