研究課題
基盤研究(C)
脊柱靭帯骨化巣の進展様式は内軟骨骨化の形態をとるといわれている。本研究では、手術時に採取した後縦靭帯骨化もしくは黄色靭帯骨化の病巣を含んだ骨化靭帯組織を利用して、骨化前線部の細胞の持つ遺伝子特性について研究した。マイクロアレイ解析では、骨化巣を含むサンプルでIhh、Runx 2の遺伝子発現の増加がみられ、その他、Ihh signalingのGLI2, GLI3やSox9, BMP2, VEGF, COL 11 A2などの遺伝子発現の上昇がみられた。また、Hedgehog signalingの pathway解析ではIhh、受容体であるGLI2、GLI3、PTCHを含む7個の遺伝子の発現上昇が確認できた。骨化巣から得た培養細胞にcyclic tensile strainを加えたところ、Ihh signalingに関与する遺伝子の発現変化が確認でき、またWestern Blotting法でタンパク発現量での半定量的評価では、cyclic tensile strainによるタンパク発現の増加がみられた。免疫組織学的な検討では、Ihh、Sox9は前肥大軟骨細胞、Runx2は肥大軟骨細胞で陽性細胞が多く観察できた。PTHrPは前肥大軟骨細胞、肥大軟骨細胞層に多く見られ、GLI2、GLI3は前肥大軟骨細胞層に陽性細胞が多くみられた。四肢の内軟骨骨化で重要な役割を果たすIhh signalingのcyclic tensile strainによる発現亢進が骨化巣進展に関与している可能性が考えられた。
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