研究成果の概要 |
本研究では, ヒト軟骨細胞に力学的負荷をかけ, 発現が変化するマイクロRNAを網羅的に検討した。この中からmiR-29bに着目し, 標的遺伝子の一つであるADAM12の発現解析を行った。ADAM12は軟骨細胞の分化過程でX型コラーゲンに先立って発現が上昇し, 手術時に採取した変形性関節症(OA)患者の骨棘組織の増殖細胞層および肥大軟骨細胞層に高率に発現していた。OAの関節局所に生じる骨棘は生体の生理的反応である一方で, 痛みや神経障害の原因になる。miR-29あるいはADAM12の発現を人為的に制御することにより, OAの新しい治療法開発に繋がると考えられた。
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