研究課題/領域番号 |
26462329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
青江 知彦 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (90311612)
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研究分担者 |
佐藤 由美 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50507176)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2014年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 小胞体分子シャペロン / 吸入麻酔薬 |
研究実績の概要 |
麻酔作用は可逆性を本分とするが、セボフルランなどの吸入麻酔薬による細胞毒性、神経毒性が指摘されている。近年重要な細胞内小器官の一つである小胞体の機能障害による小胞体ストレスによって様々な疾患が誘発されることが明らかになっている。我々は小胞体機能が障害された遺伝子変異マウスを用いて、小胞体ストレスが吸入麻酔薬による神経毒性に関与する事を明らかにした。 本研究においては、吸入麻酔薬の神経細胞毒性に小胞体機能がどのように関与しているのか、その分子機序を解析し、細胞毒性に対する防止策を検討した。 本研究では培養神経細胞neuro2aを吸入麻酔薬セボフルレンと低酸素に暴露した。吸入麻酔薬セボフルレンの曝露によって、neuro2aは暴露時間に応じてより強い小胞体ストレスを受け、小胞体分子シャペロンBiPの発現増大、細胞死を誘導するCHOPの発現増大が誘導される傾向が見られた。吸入麻酔薬セボフルレンの曝露に続いて低酸素に暴露するとCHOPの発現増大が誘導され、細胞死が増大する傾向が見られた。しかし、吸入麻酔薬セボフルレンの短時間曝露のあと、回復時間をおいて低酸素に暴露すると、低酸素曝露による細胞死がむしろ軽減する傾向が見られた。こうしたセボフルレンの保護作用は、セボフルレン暴露前にsiRNAによってBiPの発現を抑制すると、弱まった。また、セボフルレンの曝露に続いて低酸素に暴露する時に、小胞体機能を補完する化学シャペロンtauroursodeoxycholic acidを添加しておくと軽減される傾向が見られた。 今後は当研究室が独自に作製した小胞体機能障害モデルマウスや野生型マウスを用いて、同様な実験を行い、小胞体機能と吸入麻酔薬の神経細胞毒性との関係を解明し、吸入麻酔薬の適応患者の選択や化学シャペロンの投与による神経障害の予防などにおいて臨床応用を検討していく予定である。
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