研究課題/領域番号 |
26462655
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
長谷部 聡 川崎医科大学, 医学部, 教授 (20263577)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2014年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 近視 / 小児 / 予防治療 / 眼軸長 / 調節 / 点眼 / 屈折異常 / ランダム化比較対照試験 / 小児眼科 / 臨床比較対照試験 / 予防医療 |
研究成果の概要 |
アトロピン点眼液(At)は近視進行を強力に抑制するが、本研究では近視を持つ日本人学童に対して100倍に薄めた0.01%Atを投与、抑制効果と副作用を検討した。0.01%At点眼後の調節ラグ、瞳孔径の測定では、調節精度は保たれたが、明所で散瞳傾向があり、羞明は起こり得る副作用と思われた。2年間の平均近視進行は治療群で-1.43D、対照群で-1.52D、抑制効果は0.09Dであった。眼軸長伸展は治療群で0.67mm、対照群で0.70mm、抑制効果は0.03mmであった。いずれの抑制効果も有意でなく、0.01%Atは効果が無いか、有っても弱く、近視進行予防治療として推奨できないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シンガポール国立眼研究所の報告(ATOM2)以来、国内でも多数の診療所で0.01%アトロピン点眼液(At.)が個人輸入され、学童期の近視進行予防治療と称して処方されるに至っている。ATOM2の対照データは過去の論文を借用したものであり、眼軸長伸展には抑制効果がなかったことから、結果を疑問視する研究者も少なくなかった。2018年に0.01%At.を用いた初のランダム化比較試験(LAMP study)が報告され、当初予測より効果はかなり小さいことが明らかになった。今回の結果はこの報告を裏付けるものであり、0.01%At.が近視進行予防治療として推奨できない事を示し、社会に警鐘を鳴らすことができた。
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