研究課題
基盤研究(C)
無麻酔マウスを用い、脳波筋電図を測定しながら、二光子顕微鏡下で特定の細胞のカルシウムイメージングを行うための、独自のセットアップを確立した。皮質錐体細胞にカルシウム感受性たんぱく質(GCAMP)を発現するThy1-GCAMPマウスを用いて、無麻酔で脳波筋電図を計測しながら、皮質の錐体細胞のカルシウムイメージングを行った。皮質錐体細胞は、睡眠覚醒の状態に応じて活動が変化することを明らかにした。さらに、徐波睡眠時には細胞間の活動が同期する傾向があることを明らかにした。また、GABA作動性神経特異的に赤色蛍光たんぱく質を発現させ、GABA作動性神経をマーキングした後、GABA作動性神経と興奮性細胞の両者に、アデノ随伴ウイルスを用いてGCAMPを発現させた。これにより、興奮性細胞と抑制性細胞の睡眠覚醒時の細胞内カルシウム変化を同時記録することができた。本手法により、興奮性細胞と抑制性細胞は睡眠覚醒状態に応じて、異なった細胞内カルシウム変化を示すことを明らかにした。以上より、大脳皮質において、神経の種類により睡眠覚醒時の活動様式が異なる可能性を示した。
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J Physiol Sci
巻: 66 号: 1 ページ: 1-13
10.1007/s12576-015-0414-3
http://sleepymouse.tsukuba.ac.jp