ノスタルジア感情の機能に関する記憶研究からの複合的アプローチ

• 研究課題/領域番号: 26540062
• 研究種目: 挑戦的萌芽研究
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 認知科学
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 川口 潤 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (70152931)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円); 2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円); 2015年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円); 2014年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
• キーワード: エピソード記憶 / 自伝的記憶 / ノスタルジア / なつかしさ / 感情 / 幸福感 / 時間割引 / 道徳判断 / 記憶 / 意識 / 広告 / 情動

研究成果の概要

本研究は，エピソード記憶がもっている，過去の記憶を再体験するかのごとく想起する機能を，ノスタルジア感情との関連から，実験的に検討しようとしたものである。エピソード記憶は，単に過去の出来事を思いだすことではなく，自分の体験をあたかも再体験しているかのごとく思い出すことが特徴であるが，なつかしい記憶の想起はその典型である。実験の結果，なつかしい記憶の想起が道徳ジレンマ課題や時間割引課題に影響すること，また主観的幸福感が向上することなどが見いだされた。これらの結果は，ノスタルジア感情を伴うエピソード記憶想起によって，さまざまな他の心理過程に影響していることを示唆するものと考えられる。

研究成果

• [雑誌論文] Cold-hearted or cool-headed: physical coldness promotes utilitarian moral judgment (2014)
  • 著者名/発表者名: Nakamura, H., Ito, Y., Honma, Y., Mori, T., & Kawaguchi, J.
  • 雑誌名: Frontiers in Psychology 巻: 5 ページ: 1086-1086
  • DOI: 10.3389/fpsyg.2014.01086
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] Remembering episodic memory with nostalgia and delay discounting: Its relation to individual difference of visual imagery (2018)
  • 著者名/発表者名: Kawaguchi, J., Nakamura, H., & Suzuki, A.
  • 学会等名: Autobiographical Memory and the Self
  • 国際学会
• [学会発表] Repeated recollection of nostalgic events enhances eudaimonic well-being (2018)
  • 著者名/発表者名: Hirako, M., Kawaguchi, J.
  • 学会等名: SPSP2018 (Society for Personality, Social Psychology)
  • 国際学会
• [学会発表] Remembering episodic memory with nostalgia, delay discounting: Its relation to individual difference of visual imagery (2018)
  • 著者名/発表者名: Kawaguchi, J., Nakamura, H., Suzuki, A.
  • 学会等名: International conference on Autobiographical Memory, the Self
  • 国際学会
• [学会発表] Remembering episodic memory with nostalgia influences delay discount (2018)
  • 著者名/発表者名: Kawaguchi, J., Nakamura, H., Suzuki, A.
  • 学会等名: Psychonomics International 2018
  • 国際学会
• [学会発表] Nostalgic memory with a target enhances anthropomorphismbut without a target decreased it (2018)
  • 著者名/発表者名: Nakamura, H., Kawaguchi, J.
  • 学会等名: SPSP2018 (Society for Personality, Social Psychology)
  • 国際学会
• [学会発表] 系列記憶の検索誘導性忘却 (2018)
  • 著者名/発表者名: 小林正法・川口潤
  • 学会等名: 日本心理学会第82回大会
• [学会発表] なつかしい記憶を思い出すと待てる？－なつかしさをともなうエピソード記憶想起が時間割引に及ぼす効果－ (2018)
  • 著者名/発表者名: 川口潤, 中村紘子
  • 学会等名: 認知心理学会第16回大会
• [学会発表] なつかしい記憶を思い出すと待てる－なつかしい記憶想起を伴う時間割引課題における視覚的イメージ能力の検討－ (2018)
  • 著者名/発表者名: 川口潤. 中村紘子, 鈴木彩華
  • 学会等名: 日本心理学会第82回大会
• [学会発表] Power of nostalgic music on advertisement: Increasing attractiveness but decreasing memory for details (2017)
  • 著者名/発表者名: Kawaguchi, J., & Nakamura, H.
  • 学会等名: Sarmac (Society for Applied Research in Memory and Cognition) Xii
  • 発表場所: Sydney (Australia)
  • 年月日: 2017-01-04
  • 国際学会
• [学会発表] Power of nostalgic music on advertisement: Increasing attractiveness but decreasing memory for details (2017)
  • 著者名/発表者名: Kawaguchi, J., Nakamura, H.
  • 学会等名: SARMAC XII (Society For Applied Research In Memory, Cognition)
  • 国際学会
• [学会発表] Directed forgetting in face orientation judgment task (2017)
  • 著者名/発表者名: Taga, T., Kawaguchi, J.
  • 学会等名: OPAM2017 (Object Perceptionvisual Attentionand visual Memory)
  • 国際学会
• [学会発表] メタ記憶は勝者総取りで決まる. (2017)
  • 著者名/発表者名: 三好清文・桑原歩美
  • 学会等名: 日本基礎心理学会第36回大会.
• [学会発表] エピソード記憶とノスタルジア (2017)
  • 著者名/発表者名: 川口潤
  • 学会等名: 関西学院大学応用心理科学研究センター（CAPS）
  • 招待講演
• [学会発表] 忘れたものは後で見えづらくなるのか? (2017)
  • 著者名/発表者名: 多賀禎・小林正法・川口潤
  • 学会等名: 日本認知心理学会第15回大会.
• [学会発表] 忘れた後で再び見た時,見えづらくなる? (2017)
  • 著者名/発表者名: 多賀禎・川口潤
  • 学会等名: 日本心理学会第81回大会
• [学会発表] なつかしい記憶の想起が人らしさの知覚に与える影響 (2017)
  • 著者名/発表者名: 中村紘子 川口潤.
  • 学会等名: 日本心理学会第81回大会.
• [学会発表] ノスタルジアが擬人化に与える影響の検討 (2017)
  • 著者名/発表者名: 中村紘子 川口潤.
  • 学会等名: 本認知心理学会第15回大会.
• [学会発表] ノスタルジアが擬人化に与える影響の検討 (2017)
  • 著者名/発表者名: 中村紘子・川口潤
  • 学会等名: 日本認知心理学会第15回大会
• [学会発表] なつかしい出来事の反復想起がもたらす心理的効果 (2017)
  • 著者名/発表者名: 平子真里絵川口潤
  • 学会等名: 日本認知心理学会第15回大会.
• [学会発表] Remembering autobiographical memories with nostalgia (2016)
  • 著者名/発表者名: Kawaguchi, J., Nakamura, H., & Murayama, K.
  • 学会等名: 57th Annual Meeting of the Psychonomic Society.
  • 発表場所: Boston (USA)
  • 年月日: 2016-11-17
  • 国際学会
• [学会発表] なつかしさ感情の光と影 (2016)
  • 著者名/発表者名: 川口潤・中村紘子
  • 学会等名: 日本認知心理学会第14回大会
  • 発表場所: 広島大学
  • 年月日: 2016-06-18
• [学会発表] なつかしさ感情の光と影－音楽によるなつかしさ喚起と記憶の想起の特徴－ (2016)
  • 著者名/発表者名: 川口潤・中村紘子
  • 学会等名: 日本認知心理学会第14回大会
  • 発表場所: 広島大学
  • 年月日: 2016-06-18
• [学会発表] ヒトはなぜエピソード記憶を持っているのか？；エピソード記憶の機能とコントロール (2015)
  • 著者名/発表者名: 川口潤
  • 学会等名: 生理研研究会 「認知神経科学の先端 宣言的記憶の脳内メカニズム」.
  • 発表場所: 生理学研究所
  • 年月日: 2015-11-05
  • 招待講演
• [学会発表] 今年の出来事にもなつかしさを感じるのか (2015)
  • 著者名/発表者名: 仙田恵・川口潤
  • 学会等名: 日本心理学会第79回大会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場
  • 年月日: 2015-09-22
• [学会発表] Nostalgia and mental time travel. (2015)
  • 著者名/発表者名: Kawaguchi, J.
  • 学会等名: Interdisciplinary Studies on the Role of Memory in the Appearance of Cognition, Epistemic Enquiry, Social Relationships, and Human Well-Being,
  • 発表場所: 国立中正大学（嘉義，台湾）
  • 年月日: 2015-08-26
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Remembering autobiographical memories with nostalgia. (2015)
  • 著者名/発表者名: Kawaguchi, J., Nakamura, H., & Murayama, K.
  • 学会等名: SARMAC XI (Society for Applied Research in Memory and Cognition).
  • 発表場所: Victoria, Canada.
  • 年月日: 2015-06-24
  • 国際学会
• [学会発表] Nostalgia and Episodic Memory (2014)
  • 著者名/発表者名: Kawaguchi, J.
  • 学会等名: The International Symposium on Memory and Human Well being: Interdisciplinary Perspectives
  • 発表場所: Munbay, India
  • 年月日: 2014-11-09 – 2014-11-10
  • 招待講演
• [学会発表] なつかしさを伴うエピソード記憶想起と未来思考 (2014)
  • 著者名/発表者名: 川口潤,・仙田恵・伊藤友一
  • 学会等名: 日本心理学会第78回大会
  • 発表場所: 同志社大学，京都
  • 年月日: 2014-09-10 – 2014-09-12
• [学会発表] 個人的・社会的ノスタルジアの喚起と向社会的行動 (2014)
  • 著者名/発表者名: 仙田恵 青島由樹, 中村紘子, & 川口潤
  • 学会等名: 日本心理学会第78回大会
  • 発表場所: 同志社大学，京都
  • 年月日: 2014-09-10 – 2014-09-12
• [学会発表] Computational exploration on the role of semantic memory in episodic future thinking (2014)
  • 著者名/発表者名: ITO, Y., Ito, Y., Ueno, T., Kitagami, S., & Kawaguchi, J.
  • 学会等名: The 34th Annual Meeting of the Cognitive Science Society
  • 発表場所: Quebec, Canada
  • 年月日: 2014-07-23 – 2014-07-26
• [学会発表] Recollection of episodic memory with feeing of nostalgia. (2014)
  • 著者名/発表者名: Kawaguchi, J., & Senda, M.
  • 学会等名: ASSC18: 18th Annual Meeting of the Association for the Scientific Study of Consciousness
  • 発表場所: Brisbane, Australia.
  • 年月日: 2014-07-16 – 2014-07-19
• [図書] 心理学概論 (公認心理師の基礎と実践) (2018)
  • 著者名/発表者名: 繁桝 算男, サトウ タツヤ, 高瀬 堅吉, 村上 郁也, 澤 幸祐, 川口 潤, 山 祐嗣, 中村 真, 上原 泉, 敷島 千鶴, 小塩 真司, 村本 由紀子, 石垣 琢麿, 野島 一彦
  • 総ページ数: 200
  • 出版者: 遠見書房
• [図書] 潜在的記憶測定法 坂上貴之（他）編 実験心理学ハンドブック (2015)
  • 著者名/発表者名: 川口潤
  • 出版者: 朝倉書店
• [図書] 人はなぜなつかしさを感じるのか. 楠見孝（編） 日心叢書2：なつかしさの心理学 (2014)
  • 著者名/発表者名: 川口潤
  • 総ページ数: 168
  • 出版者: 誠信書房