チンパンジー乳児の音列知覚機構からみたヒトらしさの解明

• 研究課題/領域番号: 26540066
• 研究種目: 挑戦的萌芽研究
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 認知科学
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 脇田 真清 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (40301270)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円); 2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円); 2014年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
• キーワード: サル / シンタクス / 音列 / 聴覚弁別 / 言語 / 比較認知神経科学 / コモンマーモセット / 系列 / 文法 / 弓状束 / ブローカ野 / マーモセット / チンパンジー / 音列知覚 / 事象関連電位

研究成果の概要

会話などの絶え間なく連続する聴覚情報を分析して単語のような規則性のある音列を抽出する過程は、ヒト言語の特徴の一つである。ヒト以外の霊長類においてこうした能力を調べるため、研究期間内にチンパンジー乳児が入手できなかったため，コモンマーモセットを用い、モールス信号のような刺激パターンの弁別訓練をおこなった。その結果、サルは音の周波数などの物理的特徴を認識できるが、音の順序の特徴を正しく認識できず、音列の規則性を長期記憶に貯蔵できないことが明らかとなった。この結果は、先行研究の結果とは矛盾するが、サル聴覚記憶に関する認知研究や、ヒト言語の神経基盤に関する神経解剖学研究の知見に裏付けられる。

研究成果

• [雑誌論文] Interaction between perceived action and music sequences in the left prefrontal area (2016)
  • 著者名/発表者名: Masumi Wakita
  • 雑誌名: Frontiers in Human Neuroscience 巻: 10 号: DEC2016 ページ: 1-9
  • DOI: 10.3389/fnhum.2016.00656
  • NAID: 120005973336
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] The source-filter theory of whistle-like calls in marmosets: Acoustic analysis and simulation of helium-modulated voices (2015)
  • 著者名/発表者名: Hiroki Koda, Isao T. Tokuda, Masumi Wakita, Tsuyoshi Ito and Takeshi Nishimura
  • 雑誌名: The Journal of the Acoustical Society of America 巻: 137 号: 6 ページ: 3068
  • DOI: 10.1121/1.4921607
  • NAID: 120005670856
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] Vocal communication of non-human primate revisited: small New World monkey, big new horizon? (2016)
  • 著者名/発表者名: Masumi Wakita
  • 学会等名: 第35回国際心理学会議
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県横浜市）
  • 国際学会
• [学会発表] Auditory sequence perception in common marmosets (Callithrix jacchus) (2014)
  • 著者名/発表者名: Masumi Wakita
  • 学会等名: International Primatology Society XXV Congress
  • 発表場所: Hanoi, Vietnam
  • 年月日: 2014-08-12