研究課題/領域番号 |
26560180
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
自然災害科学・防災学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
箕浦 幸治 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10133852)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2014年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 放射性セシウム / 自然除染作用 / 阿武隈集水域 / 層位学 / コア試料 |
研究実績の概要 |
2011年3月東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故で環境中に放出された多量の放射性物質は、極めて深刻な放射能汚染災害を福島県にもたらした。この災害による風評と被災の継続は何としても払拭・回避しなくてはならず、除染に向けて新たな試みが待望される。事故直後から阿武隈集水系の広域において土壌試料を定期的に採取し、侵蝕と運搬が関わる放射性物質の動態解明を予察的に進めてきた。採取汚染物質の放射能測定と堆積作用の検証により、流水が関わる土壌粒子の移動と集積が放射性物質の動きに深く関わっている可能性が垣間見えてきた。本研究の目的は、放射性セシウムの地表動態の災害科学的解明である。 研究初年度(2014年度)には、阿武隈川中流域の飯野ダムや河口沖でのコア試料を採取し、それらコア試料に含まれる放射性セシウムの層位的復元を行った。平成26年7月には、飯野ダムの湖底堆積物コア試料を複数箇所で採取し、それら試料の放射性セシウム濃度の層位学的変化を求めた。それらの結果と、2012年8月および2013年4月に同所で採取したコア試料の放射性セシウム層序とを対比した。その結果、一部の箇所では放射性セシウムに汚染された堆積粒子の埋積の可能性が認められた。阿武隈川の河口沖では、2014年7月、11月および2015年3月にコア試料の採集を行った。この内、7月採取の試料については、それらコアの放射性セシウム層序を求め、水深20 m付近に放射性セシウムが付着した細粒粒子の集積を認めた。これらの結果は、流水による土壌粒子の移動と集積が放射性物質の動きに深く関わっていることを示していると考えられる。
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