1913-14年、ハーバード大学大学院に在籍していたT.S.エリオット(1888-1965)は、宗教学を専門とする東京帝国大学教授の姉崎正治(1873-1949)の講義「日本における仏教各派の宗教的・哲学的思想」という表題の筆記録を書き残している(ハーバード大学ホートン図書館に所蔵)。本研究は「日本における仏教各派の宗教的・哲学的思想」の用語の多くを解読した後、幼少期から1914年における姉崎の仏教思想とエリオットの人生に焦点をあてて、彼らにとってこの筆記録がどのような意義があったのかを検討した。
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