本研究では,観光に焦点をあて,歓待について地理学的に考察を行った。歓待についての研究はこれまで,「① 神への信仰と歓待の関係」,「② 無制限の歓待とその制限の関係」,「③ 現代社会におけるサービスと歓待の関係」,という三つの観点に注目して主として検討が行われてきたが,文化社会的関心に基づく①・②と,経営的関心に基づく③の関係性についての考察がほとんどなされてこなかった。そのため本研究では,現代資本主義社会おける象徴的な歓待現象である観光に注目し,与論島と沖縄本島を事例としてこれらの関係性について検討した。
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