本研究では、生活困窮者家庭の中学生への学習援助の実施が、高校進学に関して絶大な効果をあげていることが明らかとなった。この学習援助の特徴は、生徒の躓きを探し当て、そこから、『やればできる』という自己肯定感を持たせるという考え方である。この自己肯定感が、単に学習面だけでなく、生活面の変化へとつながり、良好な人間関係の構築や将来の職業のイメージ形成力をもたらせていると考える。このように、学習援助は学力向上とともに、子どもたちのキャリア教育にもつながるものであり、今後は、小学生から高校生まで幅広い年齢層を対象にした援助を展開することによって、貧困の連鎖を断ち切ることにつながると考える。
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