本研究課題では、マスター方程式により時間発展規則を導入した非平衡統計力学系を考察し、特に非平衡定常状態が厳密に求められる系を構成することを目的としている。 平衡統計力学系がエネルギーや粒子などの流れが止まった定常状態にあるのに対して、非平衡統計力学系とはエネルギーや粒子の流れが安定して存在するようなシステムである。例えば、交通流系では車が進行方向へ向かっておよそ一定の平均速度で運行している。渋滞が発生した場合でも、今度は渋滞の最後尾が上流へ向かってやはり一定の速さで伝搬していく。 我々は、交通流に代表される、純粋な物理系とは異なったシステムに現れる特徴的な現象(渋滞)の研究を行っている。
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