研究課題
挑戦的萌芽研究
骨格筋の肥大・再生は、筋幹細胞(衛星細胞)の活性化に大きく依存している。これまでに代表者は、「運動や筋損傷などの物理刺激を引き金として、細胞外マトリックスから遊離する肝細胞増殖因子(HGF)依存的に衛星細胞が活性化する分子機構」をほぼ解明した。これを更に発展させるため本研究では、活性化の抑制機構を調べた。その結果、過剰なNOラジカルの産生によって遊離HGFがニトロ化されることを見出した。筋の肥大や治癒を妨げている「活性化抑制機構(HGFの不活化)」を更に追究することにより、筋肥大・再生を促進する食肉生産システムの開発に資する他、筋再生医科学・加齢筋医科学・スポーツ科学などに貢献が期待された。
適度な伸展刺激をトリガーとしてNO ラジカルが産生され、これが細胞外マトリックスに結合保持されているHGF の遊離を引き起こすことを申請者らの研究グループが既に報告しているので、強い物理刺激により多量のNO ラジカルが産生されると予想している。物理刺激を引き金として衛星細胞がNO/HGF 依存的に活性化する分子機構の他に、過剰なNO ラジカル産生によるHGFの不活化という抑制的な制御機構の存在が示唆される。HGF 以外の細胞増殖因子のニトロ化による活性制御も含め、研究を更に発展させることにより、筋の肥大や創傷治癒を妨げている分子機構が明らかになると期待される。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (18件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)
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