敗血症性免疫不全対策としての血液浄化療法の意義に関する研究

• 研究課題/領域番号: 26670795
• 研究種目: 挑戦的萌芽研究
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 救急医学
• 研究機関: 東京医科大学
• 研究代表者: 小野 聡 東京医科大学, 医学部, 教授 (30531355)
• 研究分担者: 池田 寿昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (90246182) ; 辻本 広紀 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医療安全・感染対策部, 教授 (80554998) ; 木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 免疫・微生物学, 准教授 (70531391) ; 宮崎 裕美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター 外傷研究部門, 助教 (30531636) ; 平木 修一 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 外科学, 助教 (40638839) ; 青笹 季文 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 外科学, 講師 (40649034) ; 山本 順司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 外科学, 教授 (40342654) ; 齋藤 大蔵 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター 外傷研究部門, 教授 (90531632)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円); 2015年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2014年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
• キーワード: 敗血症 / 免疫麻痺 / エンドトキシン / 血液浄化療法 / 敗血症性免疫不全 / 動物敗血症モデル / IFN-γ / 小動物用カラム / NK細胞 / ポリミキシンB

研究成果の概要

敗血症では、CD4+T細胞におけるTregの割合の増加や、末梢血単核球でのIFN-γ産生能の低下を認め免疫不全状態にある。敗血症性ショックに対する治療法としてのポリミキシンB(PLB)固定化カラムによる血液浄化療法は、循環動態の改善のみならず、末梢血Treg細胞、血中IL-10濃度を減少させ、末梢血単核球でのIFN-γ産生能を改善した。その機序としてPLBがNK細胞と直接接することにより、IFN-γ産生能の改善していることが分かった。以上から、PLB固定化カラムによる血液浄化療法は、敗血症性免疫不全からの回復に大きく寄与していることが明らかになった。

研究成果

• [雑誌論文] Perioperative chemoradiation therapy for esophageal cancer is a risk factor for the elevation of high mobilitygroup box-1, leading to an increase in postoerative severe pulmonary complications (2016)
  • 著者名/発表者名: Takahata R, Ono S, Tsujimoto H, Hiraki S, Aosasa S, Yamamoto J, Hase K
  • 雑誌名: Dis Esophagus 巻: 29 ページ: 70-78
  • 査読あり
• [雑誌論文] 外科侵襲時の免疫不全の病態と癌手術患者の長期予後 (2016)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡、辻本広紀
  • 雑誌名: 外科と代謝栄養 巻: 50 ページ: 265-277
  • NAID: 130005308707
  • 査読あり
• [雑誌論文] 周術期生体反応の特性と感染性合併症対策 (2016)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡
  • 雑誌名: 東京医科大学雑誌 巻: 74 ページ: 123-135
  • NAID: 120005845840
  • 査読あり
• [雑誌論文] ショック患者における輸液療法の実際 (2016)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡、須田慎吾、奈倉武郎、池田寿昭
  • 雑誌名: 救急医学 巻: 40 ページ: 1633-1640
• [雑誌論文] Perioperative programmed death-1 expression on CD4+ T cells predicts the incidence of postoperative infectious complications (2015)
  • 著者名/発表者名: Kubo T, Ono S, Miyazaki H, Saitoh D, Yamamoto J, Hase K.
  • 雑誌名: Shock 巻: 44 ページ: 323-329
  • 査読あり
• [雑誌論文] Theranostic photosensitive nanoparticles for lymph node metastatis of gastric cancer (2015)
  • 著者名/発表者名: Tsujimoto, H., Morimoto, Y., Takahata, R., Nomura, S., Yoshida, K., Hiraki, S., Horiguchi, H., Miyazaki, H., Ono, S., Saito, D., Hara, I., Ozeki, E., Yamamoto, J., Hase, K.
  • 雑誌名: Annals of surgical oncology 巻: 22
  • 査読あり
• [雑誌論文] Abdominal Infection Suppresses the Number and Activity of Intrahepatic Natural Killer Cells and Promotes Tumor Growth in a Murine Liver Metastasis Model. (2015)
  • 著者名/発表者名: Matsumoto Y, Tsujimoto H, Ono S, Shinomiya N, Miyazaki H, Hiraki S, Takahata R, Yoshida K, Saitoh D, Yamori T, Yamamoto J, Hase K.
  • 雑誌名: Annals of surgical oncology 巻: 23 ページ: 257-265
  • 査読あり
• [雑誌論文] Burn-evoked reactive oxygen species immediately after injury are crucial to restore the neutrophil function against post-burn infection in mice (2015)
  • 著者名/発表者名: Miyazaki H, Kinoshita M, Ono S, Seki S, Saitoh D.
  • 雑誌名: Shock 巻: 44 ページ: 252-257
  • 査読あり
• [雑誌論文] 重症感染症における免疫療法の意義 (2015)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡、池田寿昭、須田慎吾、泉谷義人、上野琢哉
  • 雑誌名: ICUとCCU 巻: 39 ページ: 423-429
• [雑誌論文] Impact of the perioperative neutrophil-to-lymphocyte ratio on the long-term survival following an elective resection of colorectal carcinoma (2014)
  • 著者名/発表者名: Kubo T, Ono S, Ueno H, Shinto E, Yamamoto J, Hase K
  • 雑誌名: Int J Colorectal Dis 巻: 29 ページ: 1091-1099
  • 査読あり
• [雑誌論文] Perioperative chemoradiation therapy for esophageal cancer is a risk factor for the elevation of high mobilitygroup box-1, leading to an increase in postoerative severe pulmonary complications (2014)
  • 著者名/発表者名: Takahata R, Ono S, Tsujimoto H, Hiraki S, Aosasa S, Yamamoto J, Hase K
  • 雑誌名: Dis Esophagus 巻: - 号: 1 ページ: 70-78
  • DOI: 10.1111/dote.12261
  • 査読あり
• [雑誌論文] 急性血液浄化法 IV. 急性血液浄化法の適応疾患 重症壊死性筋膜炎に対する血液浄化 (2014)
  • 著者名/発表者名: 池田寿昭、小野 聡、上野琢哉
  • 雑誌名: 救急・集中治療 巻: 26 ページ: 449-457
• [学会発表] 外科的感染症のDNA診断・血清診断の有用性 (2017)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡、須田慎吾、奈倉武郎、池田寿昭
  • 学会等名: 第４４回日本集中治療医学会学術集会
  • 発表場所: 札幌市教育文化会館
  • 年月日: 2017-03-09
  • 招待講演
• [学会発表] 敗血症性免疫不全の病態と今後の治療戦略 (2017)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡
  • 学会等名: 第22回新都心集中治療カンファレンス
  • 発表場所: 新宿京王プラザホテル
  • 招待講演
• [学会発表] 術後感染症と腸管免疫 (2016)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡
  • 学会等名: 第29回日本外科感染症学会総会
  • 発表場所: 新宿京王プラザホテル
  • 年月日: 2016-11-29
  • 招待講演
• [学会発表] sepsisの新しい定義を読み解く (2016)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡
  • 学会等名: 第25回日本集中治療医学会関東甲信越地方会
  • 発表場所: 帝京大学
  • 招待講演
• [学会発表] Sepsisの新しい定義とsepsis治療の新たな展開 (2016)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡
  • 学会等名: セプシスカンファレンスin広島2016
  • 発表場所: 広島
  • 招待講演
• [学会発表] 外科侵襲と腸管免疫 (2015)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡
  • 学会等名: 第21回日本エンドトキシン・自然免疫研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2015-12-05
  • 招待講演
• [学会発表] 外科からみた周術期感染管理 (2015)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡
  • 学会等名: 第２１３回ICD講習会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2015-08-29
  • 招待講演
• [学会発表] （シンポジウム）外科侵襲時の炎症・免疫担当細胞の役割と機能評価 (2015)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡、辻本広紀、平木修一、久保 徹、池田寿昭
  • 学会等名: 外科代謝栄養学会第52回学術集会
  • 発表場所: 品川
  • 年月日: 2015-07-03
  • 招待講演
• [学会発表] 重症敗血症治療におけるサイトカイン治療の新たな展開 (2015)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡
  • 学会等名: サイトカインストーム研究会
  • 発表場所: 宇都宮
  • 年月日: 2015-06-26
  • 招待講演
• [学会発表] 敗血症性DICの病態解明とその対策 (2015)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡
  • 学会等名: 広島DICフォーラム2015
  • 発表場所: 広島
  • 年月日: 2015-06-19
  • 招待講演
• [学会発表] 白血球数はPMX-DHPの効果に影響を及ぼすか？ (2015)
  • 著者名/発表者名: 山中浩史、池田寿昭、小野 聡、上野琢哉、須田慎吾
  • 学会等名: 第42回日本集中治療医学会学術集会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2015-02-09
• [学会発表] 敗血症時の免疫機能低下の病態とモニタリング (2015)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡
  • 学会等名: 敗血症セミナー in 名古屋
  • 発表場所: 名古屋大学
  • 年月日: 2015-01-10
  • 招待講演
• [学会発表] （教育セミナー）免疫機能からみた術後感染性合併症のリスク評価と予測因子に関する検討 (2014)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡、久保 徹、高畑りさ、木村暁史、辻本広紀、青笹季文、長谷和生
  • 学会等名: 第27回日本外科感染症学会総会学術集会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2014-12-03 – 2014-12-04
  • 招待講演
• [学会発表] 敗血症性免疫不全状態におけるエンドトキシン吸着療法(PMX)の有効性発現機序に関する基礎的研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 木村暁史、小野 聡、辻本広紀、平木修一、高畑りさ、青笹季文、初瀬一夫、齋藤大蔵、長谷和生、山本順司
  • 学会等名: 第114回日本外科学会定期学術集会
  • 発表場所: 京都国際会議場
  • 年月日: 2014-04-04
• [図書] エンドトキシン・自然免疫研究19 (2016)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡、木下 学、池田寿昭
  • 総ページ数: 60
  • 出版者: 医学図書出版
• [図書] 術後ケアとドレーン管理のすべて 編集：竹末芳生、藤野智子 (2016)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡、池田寿昭
  • 総ページ数: 402
  • 出版者: 照林社
• [図書] 敗血症（セプシス）救命治療の最前線 竹末芳生編 セプシス治療薬 セプシス治療薬の日本での活用 (2014)
  • 著者名/発表者名: 小野 聡
  • 総ページ数: 397
  • 出版者: 医薬ジャーナル社