研究課題/領域番号 |
26702005
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 一部基金 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 (2015-2018) 東京藝術大学 (2014) |
研究代表者 |
宇高 健太郎 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, 客員研究員 (30704671)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
24,050千円 (直接経費: 18,500千円、間接経費: 5,550千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2015年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2014年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
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キーワード | 墨 / 煤 / 膠 / 文化財 / 修復材料 / 水墨画 / 美術 / 日本画 / 文化財科学 / 保存科学 / 松煙 / 製作技法 / 文化財材料 |
研究成果の概要 |
近代以前の中国式松煙煤の製法再現を行なった。炉が小径で低断熱性、時間毎原料投入量の多い条件で得られた試料群は特に大きい凝集体規模を示した(MV: 30 μm以上)。炉が小径で高断熱性、時間毎原料投入量の多い条件で得られた試料群は、0.1 μmを超える大きな一次粒子径を総じて示しつつも凝集体規模については他試料群と比して特に大きな値を示さなかった(数μm程度)。また炉が大径の試料群は凝集体規模が1 μmを下回る傾向にあった。 さらに古典的膠について、『墨譜』(李孝美)、『墨経』(伝 晁貫之)等の製法再現や分析を通して体系化を進めた。また書画等文化財の保存修復用途に好適な該材料の開発を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膠やそれに煤を加えて作られる墨は、非常に多くの東洋書画に使用されてきた伝統材料である。しかしながらその一方で、材料学的な検証が充分に行われてきたとは言い難い状況にあった。本研究では近代以前の各文献等を踏まえ、該材料において製造条件が性状に及ぼす影響を実践的かつ広範に体系化した。これによって、製膠技術史や製墨技術史を踏まえた新しい書画及び工芸等文化財研究の可能性を拓くことができた。 また特に膠は書画等の保存において重要な修復材料でもある。本研究を通して様々な特性を備えた古典的膠の製造方法が明らかになり、各課題に応じて、より好適な修復材料の選定乃至製造、活用等応用展開が可能となった。
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