研究課題
若手研究(A)
次世代型システムとして、前年度に項目立てした統合型培養履歴管理システムのCell History Information Management(CHIM)を既存の自動培養装置に導入可能か検討した。現CHIMの設計は、ヒト幹細胞アーカイブ(先端医療振興財団)の細胞保管管理システムを基礎として、自動培養装置、自動分化誘導機器等とシステム連結を可能とする次世代型IoT化を目指した仕様であったため、約2000点の管理項目が存在する。今回は、様々な企業の自動培養装置が存在する中で、CHIMを小規模運用として自動培養、自動培地交換機器(A社、B社)の2製品に絞り、CHIMと装置間との共通項目を抽出した。その結果、装置間の違いにおいて、531種の共通項目が存在することがわかった。本CHIMをARM技術に既存製品に導入することで最も汎用性高く実現できる可能性を示唆した。また、培養工程管理としてはnaive/prime iPS細胞樹立時・拡大培養時・分化誘導工程等でインキュベーターから培養容器を取り出す回数と培養工程で低下する培地の温度、培養操作における細胞への負荷等の総量と細胞品質や細胞安定性(ゲノム安定性)が関係することを見出した。今回選定した機器(A社、B社)の2製品は、小規模スケール(x10 10 の培養を想定したものではあるが、大規模スケールの別自動培養装置(x10 10 においても共有システム化を図る事で、培養操作工程から自動細胞保管・管理システムとを統合できることを示唆する結果となった。今後、様々な機器で調査し、共通項目を検証する事でCHIMがスリム化できることが期待される。この研究成果を通じて、幹細胞を用いた再生医療分野におけるIoT化のシステム基盤として活用できることを期待する。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Arch Stem Cell Res
巻: 2(3) 1014 ページ: 1-6