研究課題/領域番号 |
26704010
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 一部基金 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
阿部 亮吾 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10509144)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2014年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オーストラリア / 多文化主義 / シドニー大都市圏 / メルボルン大都市圏 / 移民エスニック空間 / 移民・難民定住支援 / フィリピン系移民 |
研究成果の概要 |
本研究は、現代オーストラリアのシドニー/メルボルン大都市圏を事例に、1990年代以降のオーストラリア型多文化主義の後退が、都市のローカルな移民エスニック空間の形成に及ぼす影響を、フィリピン系移民に着目して明らかにしたものである。研究の結果、「英語の上手な」フィリピン系移民は公的支援の主なターゲット層から外れ、また集住地区においてさえ景観的に顕在化しない点で、「不可視な」存在であることが明らかになった。その一方で、フィリピン系移民は独自の自助的な、社会空間としてのエスニック空間をグローバルに展開することで、後退期にあるオーストラリア型多文化主義への対抗言説を生み出している様相が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的成果から、グローバル・スケールの自助が機能しやすいフィリピン系移民は、公的支援の対象というよりも、むしろ多文化社会の「協働」すべき良きパートナーになりうる可能性を指摘できる。もちろん、1990年代以前のオーストラリアでは、家族呼び寄せ移民が認められてきた点で日本とは大きく異なっており、その移住・集住形態や組織化にかなりの差異がある現実には留意が必要である。一方で、フィリピン系移民にも世代交代が生じていることや、新たな職種の若い労働移民が流入しつつある点には共通項もあり、そうしたフィリピン系移民の新規潮流が両国の多文化社会の在り方に何をもたらしうるかは、継続した調査が求められる。
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