研究課題/領域番号 |
26705005
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 一部基金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
櫻田 和也 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (70555325)
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研究協力者 |
北川 眞也
原口 剛
ヤン マニュエル
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2017年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2016年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2015年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2014年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | オペライズモ / 社会調査法 / 調査方法論 / 国際情報交流 / イタリア |
研究成果の概要 |
オペライズモにおける社会調査の方法論的な固有性の解明を目的としたこの研究ではオペライズモ最初期の1950年代にマルクスの労働者調査が再発見された契機とその射程とを大西洋を超えた知的交流史の視角から明らかにし、社会調査の過程で階級的敵対性のただなかに身をおく点にこだわるその方法論の社会調査史における正当な評価を試みた。調査研究において、理論化の主体はふつう研究者であるものと自明視される。これに対してオペライズモの方法論においては、労働者の知性があらかじめ前提とされた。現実の調査実践の現場では様々な問題を生じうるが、少なくとも方法的態度としてモンタルディ以来の揺るぎない固有性をここに同定できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オペライズモ以降の戦後イタリア現代思想は、英語圏において人文社会諸科学の理論的な枠組みとして近年では定着しつつある。その根幹にはマルクス再読に由来する階級組成論があるが、それは一次資料によると具体的な社会調査に依拠していた。しかし過去の調査実態はあまり知られておらず、社会調査史の上で十分に評価されてきたとはいえない。ここでの研究期間中に精査できた調査事例はごく限られた範囲にとどまり、また現実の調査現場においては様々な限界を指摘しうる。だが少なくとも労働者の知性を前提としたその方法的態度にこそ今日なお見直されるべき点があり、われわれの共同調査・共同研究の今後のあり方にも示唆するところが大きい。
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