研究課題
若手研究(A)
環境中には膨大な未培養微生物が未知・未利用のまま存在していることが知られているが、いまだ従来法に替わる画期的な分離培養手法は開発されていない。そこで、本研究では微小空間をデザインするという新しいコンセプトを導入して2種類の革新的な分離培養手法を開発することを目的とした。まず、1)「実環境中に設置するだけで自動的に分離・培養し、純粋培養株を得る」という今までにないコンセプトを実現するデバイスを開発し、実際に環境中から分離株を得られることを実証した。さらに2)微小ゲル微粒子の油相中での培養手法(ピコリットル培養)の開発においては、油相中で凝集させることで著しく培養効率が上昇することを発見した。
地球上には、膨大な数・種類の微生物が存在しているが、それら環境中の微生物の99%以上は未だ培養できないことが知られている。このため、環境微生物の正しい理解に基づく「制御」や「バイオリソースとしての開拓」は、幅広い分野における重要課題であるにも関わらず, そのほとんどが未解明・未利用のまま残されている。一方で、従来法に替わる分離培養手法はほとんど登場していない。したがって、本研究の成果である、新しいコンセプトに基づく新規分離培養手法の開発(分離培養法の革新)は、「環境微生物から得られる情報の質,量」,さらに「バイオリソースとしての可能性」を飛躍的に向上させるブレークスルーになると考えられる。
すべて 2018 2017 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 6件、 招待講演 7件) 産業財産権 (1件)
環境バイオテクノロジー学会誌
巻: 16 ページ: 59-64