研究課題/領域番号 |
26712029
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 一部基金 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
本田 信治 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (90632167)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
23,920千円 (直接経費: 18,400千円、間接経費: 5,520千円)
2017年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2016年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2015年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2014年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | アカパンカビ / 休眠 / 熱耐性 / 子嚢胞子 / 応用微生物学 / 菌類 / 応用微生物 / 熱 |
研究成果の概要 |
アカパンカビ子嚢胞子は山火事の熱により半永久的な休眠状態を解除するが、その分子機構は謎である。本研究では網羅的な逆遺伝学法により、熱処理なしで自然発芽する欠損株、as-1とas-2を単離した。AS-1は子嚢胞子特異的なMAPK経路を活性化させて休眠を維持していることがわかった。一方、アカパンカビ子嚢胞子は山火事で発生する煙によりG蛋白質共役型受容体経路を活性化することで休眠を解除し、AS-2はこの経路を負に制御することを突き止めた。更に、煙成分は濃度依存的に休眠解除の温度閾値を下げることがわかった。これらの結果、精巧に制御されたアカパンカビ子嚢胞子の休眠維持・解除機構が見えてきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アカパンカビ子嚢胞子の驚異的な特殊能力は、怪奇現象として歴史を賑わしている。例えば、1842年にフランス軍のパン工場で大発生したアカパンカビの大調査が歴史に記されている。日本でも関東大震災のときの大火災後に、突如出現したオレンジ色の粉(アカパンカビ)が幻想的に東京中に舞い、人々を魅了させた(1925年, 日本植物病理學會報, 1巻6号, p15-19)。本研究課題は、歴史に刻まれたアカパンカビによる怪奇現象を分子レベルで謎解く学術的意義がある。また、生物の驚異的な特殊能力の応用は様々な形で人類の発展に貢献してきたが、このアカパンカビの特殊能力の応用もイノベーションにつながることが期待できる。
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