研究課題/領域番号 |
26750339
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用健康科学
|
研究機関 | 日本女子体育大学 |
研究代表者 |
大槻 曜生 日本女子体育大学, 公私立大学の部局等, 助教 (00710667)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2014年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 血管の伸展性 / 筋の柔軟性 / 超音波組織ドプラ法 / 動脈の伸展性 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,動脈の伸展性と筋の柔軟性について,伸長刺激に対する応答から両者の関係性を推察することであった.生体内で動脈と筋が同時に伸長刺激を受ける状況で動脈の伸展性と筋の柔軟性を評価するため,伸長刺激を足関節の受動的底屈動作とし,測定部位を前脛骨動脈と前脛骨筋の隣接する部分とした.被検者は若年成人女性とした.仰臥位で,安静時・足底屈時・回復時の間,動脈壁および「動脈と隣接する筋の一部位」(隣接筋)が超音波画面に入るよう超音波プローブを走査・固定し,超音波組織ドプラ法で動画を連続的に記録した.伸展性(および柔軟性)の評価には,動脈の拍動に伴う測定部位の移動速度を用いた.上腕で測定した収縮期血圧と測定部位で測定した下腿の収縮期血圧は相関しないことが確かめられたので,下腿収縮期血圧に対する動脈壁の移動速度と隣接筋の移動速度を伸展性および柔軟性の指標とした. 安静時において,動脈壁の移動速度が速い人は隣接筋の移動速度も速く,両者は良く相関した.この関係は足底屈時でも同様であった.足底屈による伸長刺激によって,動脈壁と隣接筋の移動速度は,どちらも多くの被検者で低下した.移動速度の低下は,足関節を底屈位から安静位に戻す動作に付随して戻らず,回復時も持続した.この傾向は隣接筋で,より見られた.安静時の値からの移動速度低下量は,動脈壁と隣接筋共に,足底屈時に低下量が多いほど回復時にも多かった. 前脛骨動脈と前脛骨筋が隣接する部位において,動脈壁の伸展性と隣接筋の柔軟性は安静時も伸長刺激時も類似することが示された.動脈と筋は地理的に密接であり,特に四肢においては複数の筋が動脈を取り囲む構造であることを考えると,筋の柔らかさは動脈の拍動性(横断面の伸展性)に影響を及ぼす可能性がある.また,動脈および筋は伸長刺激によって一過性に硬くなることが示唆された.
|