研究課題
若手研究(B)
本研究は、ローマ帝国支配下の北アフリカにおける「ローマ人」意識について、皇帝礼拝に着目しつつ明らかにすることを目的とした。アウグゥトゥス治世に外来の個人によって始められた皇帝礼拝は、1世紀前半のうちに都市単位で祭祀が行われるに至る。従来、ウェスパシアヌス治世に属州単位での皇帝礼拝が確立したことが重視されてきたが、本研究では、その根拠となる碑文が製作された2世紀後半の状況こそが重視されるべきであり、その頃までに先住民系の人々の間でも「ローマ人」意識が浸透していたことを示した。
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