研究課題/領域番号 |
26770295
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 東海大学 (2017-2018) 首都大学東京 (2016) 聖心女子大学 (2014-2015) |
研究代表者 |
今堀 恵美 東海大学, 文化社会学部, 講師 (50600821)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2014年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 文化人類学 / 中央アジア / ウズベキスタン / ものづくり / ジェンダー / ピースワーク / 社会人類学 / ポスト社会主義 / イスラーム / 国際情報交換 / 国際研究者交流 |
研究成果の概要 |
期間中の研究内容はウズベキスタンへの研究出張2回、収集資料の整理と理論研究である。本研究の主な成果はウズベキスタン大統領交代後のピースワーク労働をめぐる実態解明である。本研究が焦点をあてた刺繍業では、新政権下で実施された観光用の土産物を制作する工芸家の支援策―具体的には大幅な免税やマイクロクレジットの拡充―がピースワーク労働者を事業家として独立させる結果をうみ、賃労働や失業者を減少させたことが観察された。だがその反面、事業家増加によって価格競争が生まれ、高い技能をもつピースワーク労働者よりも安価に請負する労働者が優遇され、工芸品の質の低下が生じるという悪循環も生じていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では新自由主義下で不安定雇用とみなされがちなピースワーク(請負労働、内職)に着目し、ものづくりでの位置づけの見直しを図ってきた。ものづくりをめぐる従来型の理論では制作責任者(工芸家や職人など)の活動を創造力やオリジナリティといった点から重視し、内職の作業を単純加工として軽視する傾向にあった。本研究の意義はピースワーク労働者がもつ高い技術と制作責任者の統括双方の重要性を浮き彫りにするよう試みた点である。ウズベキスタンの刺繍業と近年の観光化政策を事例とした研究成果から、独立事業家の増加を促進する工芸家支援策でピースワーク労働をめぐる環境が悪化し、工芸品の質低下が生じたと指摘された。
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