本研究では、保育所における送迎時の保育者と保護者とのコミュニケーションのビデオ撮影を行い、そのデータを分析した。 送迎時のやりとりは、ほんとうにちょっとしたものであるが、そのなかにもうまくいっているように思えるものとそうでないものがある。うまくいっているように思えるやりとりでは、子どもに服を着せること、子どもを帰途につかせることなどが保護者にとっての課題になっていることに保育者が気づき、子どもを媒介とした保育者と保護者の共同作業が行われている。送迎時に「悩み相談」などが行われるのは頻繁ではないことを考えれば、保育者が保護者に支援的に関わるうえで、「共同作業」という視点は非常に重要である。
|