本研究では,概念変化を促す説明活動のあり方について検討を行った。概念変化には,予めもっている誤概念では現象を説明できないと気づくこと,新しく学んだ概念であればそれが可能であると感じることが重要である。そこで,誤概念の不備を説明させる働きかけと,新たに学習した概念の適切性を説明させる働きかけの2つの働きかけを提案した。研究の結果,①誤概念の不備を説明させることによって,その適用が減少すること,②新しい概念をその適用例とともに学習させた上で,学習内容をまとめる説明を行わせることによって,学習した概念の理解が促されることが示された。さらに,2種類の説明双方を組み込んだ働きかけの提案までを行った。
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