研究成果の概要 |
可積分系である5次KdV方程式及び5次修正KdV方程式に対する初期値問題を周期境界条件下で考え, その適切性を解明した. 本研究では線形化方程式の解の摂動として捉えられない非線形相互作用が集中する共鳴部分の解析が鍵となる. そこで, 可積分性の代数的構造を上手く利用することで, 共鳴部分の明示的な表示を与え, 複数個の保存則を用いた非線形変換により相殺することに成功した. また残りの部分が normal from 法により, 線形の摂動と捉えることができ, 適切性が得られた. 本研究において調和解析的手法と可積分性の代数的な性質を同時扱える手法を構築したことが最も独創的な点である.
|