研究課題/領域番号 |
26800281
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
プラズマ科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森高 外征雄 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 特任研究員 (20554372)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2014年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | プラズマ物理 / ガンマ線輻射 / 超高強度レーザー / PICシミュレーション / 電子・陽電子対生成 |
研究実績の概要 |
本研究では、微視的なプラズマ現象を扱うシミュレーション手法であるParticle-in-cell (PIC) 法を拡張し、レーザー生成プラズマや高エネルギー天体現象で卓越してくるガンマ線輻射や電子・陽電子対生成の効果を取り入れた、新しいシミュレーション手法開発を目標としている。 これまで、高速電子と原子核との衝突における輻射・対生成を取り入れたシミュレーション手法を開発・実行してきたが、本年度は新たに外部高強度場が直接寄与する過程(物質との相互作用を経由しない、真空中での輻射・対生成)に着目した。高強度場中の無数の光子が寄与するこれらの過程は、理論的には量子電磁気学の非摂動的な扱いが必要であり、実験的には最新の超高強度レーザーによって初めて検証可能になる。 まず、プラズマとしての振る舞い(荷電粒子の多体効果)の影響が小さい比較的なシンプルな系として、電子ビームと超高強度パルスレーザーとの正面衝突を対象としたシミュレーションを行った。シミュレーションでは、輻射による電子エネルギーの減衰やガンマ線のエネルギースペクトル、対生成によるガンマ線の吸収を、主にモンテカルロ法によって計算している。減衰・吸収率やスペクトルの計算には、非摂動量子電磁気学の半古典近似解から得られた散乱断面積を用いている。 本シミュレーションの結果は、現在EUで建設中の超高強度レーザー施設 Extreme Light Inftastructure - Nuclear Phycisc (ELI-NP)における基礎実験(古典輻射(シンクロトロン輻射)に対する量子補正効果の検証)の提案に用いられた。また、今回用いたシミュレーション手法を使って、これまでに開発した計算コードの素過程の部分(原子核との相互作用)を更新していくことで、超高強度場におけるプラズマ過程の計算に拡張することができると期待される。
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