研究課題/領域番号 |
26820239
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
向坊 恭介 立命館大学, 理工学部, 助教 (80512748)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2015年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2014年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 伝統構法 / 振動台実験 / 床束 / 柱脚 |
研究実績の概要 |
柱脚を基礎に緊結しない石場建て構法による伝統構法木造建築物の地震応答性状において、特に既往研究により示唆された、足固め下に設置される床束の突き上げ挙動に関する研究を行った。床束が、見かけの摩擦係数に及ぼす影響を実験的・理論的に解明し、柱脚の滑りに関する合理的な耐震設計法の構築に資することを目的とした。 平成26年度において、柱脚部のみからなる石場建て木造軸組の振動台実験を実施した。既往の実験結果を「床束無し」の状態と考え比較対象として、柱脚と床束底面の鉛直荷重の変動、床束の回転角と試験体全体の水平変位の関係、滑りの発生タイミングと滑り量等を明らかにするとともに損傷性状を把握した。実験結果から得られた結論の概要は以下のとおりである。(1)床束が足固めを突き上げることによって柱軸力を低減させるため、摩擦力は小さくなり柱脚の滑りが発生しやすくなる。(2)一方、低減した柱軸力は床束に作用し、傾斜復元力が相応に大きくなるため、床束の幅程度までの滑り量であれば、滑ったとしても原点(変位ゼロ)への復元性が非常に高い。(3)床束の幅を超える大きな滑り(水平変位)が生じると上記の床束の効果は失われ、床束無しの状態と同様の性状を示す。 柱脚の滑り挙動は不確定性が大きく、耐震設計において定量的な評価が難しい現状にある。本研究で得られた成果は、柱脚の滑り挙動のメカニズムの一端を明らかにしたものであり、今後、合理的な耐震設計法の構築に資するものである。
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