研究課題/領域番号 |
26830022
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経生理学・神経科学一般
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研究機関 | 公益財団法人大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
山口 隆司 公益財団法人大阪バイオサイエンス研究所, システムズ生物学部門, 研究員 (40724258)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2014年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 大脳基底核 / 細胞内情報伝達 / 行動薬理学 / 分子生物学 |
研究実績の概要 |
運動制御や意思決定を司る部位とされ、パーキンソン病や薬物依存等の疾患にも深く関係する大脳基底核の情報処理および制御機構は、基底核内で形態的には区別ができない「直接路」および「間接路」の2つの投射経路が混在することから不明な点が多い。本研究では、片側の大脳基底核神経回路に可逆的神経伝達阻止法を導入して、「直接路」あるいは「間接路」を遮断するとともに、反対側に細胞内シグナル分子プロテインキナーゼA(PKA)の阻害剤であるPKI(PKA inhibitor)を投与した後に、受動的回避学習試験を用いた行動観察をすることによって、忌避行動における大脳基底核の細胞内情報伝達機構の役割を解析した。その結果、一側直接路遮断後に、他側にPKIを投与しても忌避記憶は獲得されるが、間接路遮断後に他側にPKIを投与すると、それが阻害されることを明らかにした。さらに、PKIとは作用機序が異なるPKA阻害剤であるRp-cAMPsを用いて、嫌悪記憶の形成が妨げられるという同様の結果を得て、嫌悪記憶の形成には、直接路ではなく、間接路におけるPKAの活性化が重要であること示した。また、一側性神経路遮断したマウスの他側に、薬理効果をもたないinactive controlである2'-dcAMPを投与したところ、正常に嫌悪記憶が獲得されたことより、間接路におけるPKAが忌避行動に必要となることを回路特異的に示した。これらの結果より、忌避行動に対する大脳基底核回路の細胞内情報伝達機構の一端が明らかにされた。
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