研究課題
若手研究(B)
恐怖学習が十分に進行するとその学習強度は一定となり,以降の恐怖体験はさらなる学習を引き起こさなくなる。本研究ではこの「恐怖学習の漸近化」現象を嫌悪的体験の強さに応じた適応的恐怖学習モデルとして,その神経メカニズムの解明を試みた。その結果,1)嫌悪刺激の到来を予測する音刺激による扁桃体中心核‐中脳水道周囲灰白質腹側経路の活性化により,恐怖記憶の貯蔵領域である扁桃体外側核で嫌悪刺激に対する神経応答が減少すること,2)さらにこの経路が吻側延髄腹内側部を介して恐怖学習の漸近化を引き起こすことが明らかになった。この結果は過剰な恐怖学習に特徴づけられる不安症等の精神疾患メカニズムの解明に重要な知見である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
Current Biology
巻: 24 号: 15 ページ: R690-R693
10.1016/j.cub.2014.06.050
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
巻: 111 号: 51
10.1073/pnas.1421304111