研究課題/領域番号 |
26830032
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
隈元 拓馬 国立研究開発法人理化学研究所, 多細胞システム形成研究センター, 研究員 (10570880)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2015年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2014年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 大脳新皮質 / CR細胞 / 進化発生 |
研究実績の概要 |
本研究計画においてはじめに、大脳新皮質形成と獲得の鍵となる分子の同定を行なった。特有の6層構造を持つ哺乳類脳(大脳新皮質)と、層構造を持たない非哺乳類脳(大脳皮質)における細胞種の比較をしたところ、大脳新皮質の最上部に位置し、最も早く分化するCR細胞のみが、哺乳類より爆発的に終脳表層に増加していることがわかった。そこで経時的なin vivoマイクロアレイ、及び生体内クロマチン免疫沈降法による網羅的な遺伝子解析を行い、哺乳類特異的なCR細胞発現遺伝子の抽出をした結果、候補遺伝子を44個まで絞った。さらにこれらの候補遺伝子の発現比較解析をマウス(哺乳類)、マーモセット(霊長類)、ニワトリ(鳥類)、ヤモリ(爬虫類)の胎児脳を用いて行なった結果、最終的に8個の新規哺乳類CR細胞発現遺伝子を同定した。 次に新規哺乳類CR細胞発現遺伝子群を、ニワトリ胚にin ovo electroporationを用いて哺乳類型のCR細胞遺伝子を強制発現させ、ニワトリ脳(核構造)を人工的に哺乳類型脳(6層構造)へと変換させることを試みた。複数の哺乳類型CR遺伝子過剰発現ベクターを作製し、それらがニワトリ胚で正常に発現誘導が行なわれることを確認した。複数の遺伝子を過剰発現により機能解析を行った結果、CR細胞特異的な接線方向への細胞移動を促進させる遺伝子や、哺乳類特異的なradial glial fiberの伸長を促す遺伝子も確認できた。胚操作後の長期間の培養が困難であるため、現在のところ顕著な構造変換まで観察することは出来なかったが、構造変換に重要な哺乳類特異的発生現象の誘導を可能にしたことから、導入遺伝子の選択や培養法の向上により、より顕著な「哺乳類型非哺乳類脳」の作製を進めることが出来る基礎的な研究結果が得られた。
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