植物細胞分裂を制御する新奇蛋白質リン酸化酵素と脱リン酸化酵素の単離と機能解析

• 研究課題/領域番号: 26840086
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 植物分子・生理科学
• 研究機関: 弘前大学
• 研究代表者: 笹部 美知子 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (00454380)
• 研究協力者: 大和田 理恵 ; 相田 治寿 ; 増子 雄貴
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円); 2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2015年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円); 2014年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
• キーワード: 細胞分裂 / MAPK / CDK / プロテインキナーゼ / プロテインホスファターゼ / 細胞質分裂 / 植物 / リン酸化 / MAPキナーゼ / 細胞板 / 紡錘体 / フラグモプラスト / 微小管

研究成果の概要

動物と比較して植物の細胞分裂の制御のしくみは未解明な部分が多い。本研究では、植物の細胞質分裂に必須の制御系であるMAPKカスケードを基軸として、植物細胞の分裂を制御する新奇因子の同定を目指した。このカスケードの活性化は、CDKによって負に制御されていることが明らかとなっていたが、本研究により、CDKと競合的に働き、細胞分裂の促進に機能すると考えられる新規PP2C様プロテインホスファターゼが単離された。本遺伝子は分裂の盛んな組織で優先的に発現しており、過剰発現体では細胞数の増加により成長が促進していた。これらのことから、本因子は細胞分裂を正に制御する新奇因子である可能性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Arabidopsis MAP65-4 Plays A Role in Phragmoplast Microtubule Organization and Marks the Cortical Cell Division Site. (2017)
  • 著者名/発表者名: Li, H., Sun, B., Sasabe, M., Deng, X., Machida, Y., Lin, H., Lee, Y., Liu, B.
  • 雑誌名: New Phytologist 巻: - 号: 1 ページ: 187-201
  • DOI: 10.1111/nph.14532
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Identification of Phosphoinositide-Binding Protein PATELLIN2 as a Substrate of Arabidopsis MPK4 MAP Kinase during Septum Formation in Cytokinesis. (2016)
  • 著者名/発表者名: Suzuki ,T., Matsushima, C., Nishimura, S., Higashiyama, T., Sasabe, M., Machida, Y
  • 雑誌名: Plant and Cell Physiology 巻: 57 号: 8 ページ: 1744-1755
  • DOI: 10.1093/pcp/pcw098
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 植物における細胞質分裂の制御機構 (2016)
  • 著者名/発表者名: 笹部美知子，町田泰則
  • 雑誌名: 生化学 巻: 88 ページ: 465-475
  • NAID: 40020948077
• [雑誌論文] 植物に特徴的なタンパク質複合体による細胞分裂の制御機構 (2016)
  • 著者名/発表者名: 伊藤正樹, 笹部美知子, 町田泰則
  • 雑誌名: 領域融合レビュー 巻: 5 ページ: e005
  • DOI: 10.7875/leading.author.5.e005
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Calcium-dependent protein kinases responsible for the phosphorylation of a bZIP transcription factor FD crucial for the florigen complex formation (2015)
  • 著者名/発表者名: Nozomi Kawamoto, Michiko Sasabe, Motomu Endo, Yasunori Machida & Takashi Araki
  • 雑誌名: Scientific Reports 巻: 5 号: 1 ページ: 1-9
  • DOI: 10.1038/srep08341
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] The carboxyl-terminal tail of the stalk of Arabidopsis NACK1/HINKEL kinesin is required for its localization to the cell plate formation site (2015)
  • 著者名/発表者名: Sasabe, M., Ishibashi, N., Haruta, T., Minami, A., Kurihara, D., Higashiyama, T., Nishihama, R., Ito, M., and Machida, Y.
  • 雑誌名: J. Plant Res. 巻: 128 号: 2 ページ: 327-336
  • DOI: 10.1007/s10265-014-0687-2
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Signaling pathway that controls plant cytokinesis. (2014)
  • 著者名/発表者名: Sasabe, M. and Machida, Y
  • 雑誌名: Enzymes 巻: 35 ページ: 145-165
  • DOI: 10.1016/b978-0-12-801922-1.00006-3
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] M期特異的に発現する新奇レセプター様キナーゼの機能解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 増子雄貴, 笹部美知子
  • 学会等名: 東北植物学会第6回大会
  • 発表場所: 東北大学青葉山北キャンパス
  • 年月日: 2016-12-10
• [学会発表] 細胞板形成におけるNACK1キネシンの役割 (2016)
  • 著者名/発表者名: 鈴木伶奈, 森岡祉門, 西田結花, 桧垣匠, 植村知博, 安原裕紀, 馳澤盛一郎, 上田貴志, 町田泰則, 笹部美知子
  • 学会等名: 東北植物学会第6回大会
  • 発表場所: 東北大学青葉山北キャンパス
  • 年月日: 2016-12-10
• [学会発表] 植物の細胞分裂を制御するキネシンと相互作用するプロテインホスファターゼの解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 笹部美知子, 大和田理恵, 中野理恵, 中田美果子, 町田泰則
  • 学会等名: 日本植物学会第80回大会
  • 発表場所: 沖縄コンベンションセンター
  • 年月日: 2016-09-16
• [学会発表] 植物における新奇M期キナーゼの探索 (2016)
  • 著者名/発表者名: 増子雄貴, 笹部美知子
  • 学会等名: 日本植物学会第80回大会
  • 発表場所: 沖縄コンベンションセンター
  • 年月日: 2016-09-16
• [学会発表] The analysis of Arabidopsis PP2C-like protein phosphatases that interact with NACK1 kinesin (2016)
  • 著者名/発表者名: Rie Owada, Mikako Nakata, Rie Nakano, Yasunori Machida, Michiko Sasabe
  • 学会等名: 第57回日本植物生理学会年会
  • 発表場所: 岩手大学上田キャンパス
  • 年月日: 2016-03-18
• [学会発表] Subcellular Localization and Activity of βC1, the Pathogenicity Factor of Tomato Yellow Leaf Curl Disease (2016)
  • 著者名/発表者名: Takanori Suzuki, Michiko Sasabe, Chiyoko Machida, Yasunori Machida
  • 学会等名: 第57回日本植物生理学会年会
  • 発表場所: 岩手大学上田キャンパス
  • 年月日: 2016-03-18
• [学会発表] 植物の細胞分裂を制御するキネシンと相互作用する新規プロテインホスファターゼのシロイヌナズナホモログの解析(3) (2015)
  • 著者名/発表者名: 大和田理恵, 中田美果子, 中野理恵, 町田泰則, 笹部美知子
  • 学会等名: 東北植物学会第5回大会
  • 発表場所: 福島大学
  • 年月日: 2015-12-19
• [学会発表] M期キネシンNACK1の細胞板形成における機能解明 (2015)
  • 著者名/発表者名: 森岡祉門, 西田結花, 桧垣巧, 安原裕紀, 植村知博, 馳澤盛一郎, 上田貴志, 町田泰則, 笹部美知子
  • 学会等名: 東北植物学会第5回大会
  • 発表場所: 福島大学
  • 年月日: 2015-12-19
• [学会発表] 植物における新奇M期キナーゼの探索 (2015)
  • 著者名/発表者名: 増子雄貴, 笹部美知子
  • 学会等名: 東北植物学会第5回大会
  • 発表場所: 福島大学
  • 年月日: 2015-12-19
• [学会発表] トマトにおけるキネシン様タンパク質SlNACK1の単離と機能解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 相田治寿, 笹部美知子
  • 学会等名: 東北植物学会第5回大会
  • 発表場所: 福島大学
  • 年月日: 2015-12-19
• [学会発表] 植物細胞における分裂軸決定機構の解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 樋口奈々美, 伊藤千尋, 笹部美知子
  • 学会等名: 東北植物学会第5回大会
  • 発表場所: 福島大学
  • 年月日: 2015-12-19
• [学会発表] 植物の細胞板形成を支えるM期キネシンNACK1とMAPKカスケード (2015)
  • 著者名/発表者名: 笹部美知子, 桧垣匠, 栗原大輔, 東山哲也, 馳澤盛一郎, 町田泰則
  • 学会等名: 第24回 日本バイオイメージング学会
  • 発表場所: 東京理科大学葛飾キャンパス
  • 年月日: 2015-09-27
• [学会発表] M期特異的キネシンNACK1のC末端領域は 細胞板形成部位への局在に必要である (2015)
  • 著者名/発表者名: 笹部 美知子, 桧垣 巧, 西田 結花, 石橋 奈々子, 栗原 大輔, 東山 哲也, 西浜 竜一, 伊藤 正樹, 馳澤 盛一郎, 町田 泰則
  • 学会等名: 日本植物学会第79回大会
  • 発表場所: 朱鷺メッセ：新潟コンベンションセンター
  • 年月日: 2015-09-06
• [学会発表] 植物の細胞板形成を支える分子メカニズム (2015)
  • 著者名/発表者名: 笹部美知子, 桧垣匠, 大和田理恵, 相田治寿, 西田結花, 馳澤盛一郎, 町田泰則
  • 学会等名: 第56回日本植物生理学会年会
  • 発表場所: 東京農業大学
  • 年月日: 2015-03-16 – 2015-03-19
• [学会発表] シロイヌナズナAtNACK1/HINKELキネシンのC末端領域は細胞板形成領域への局在に必要である (2014)
  • 著者名/発表者名: 笹部美知子, 石橋奈々子, 春田剛, 南明希, 栗原大輔, 東山哲也, 西浜竜一, 伊藤正樹, 町田泰則
  • 学会等名: 東北植物学会第4回大会
  • 発表場所: 山形大学小白川キャンパス
  • 年月日: 2014-12-13 – 2014-12-14
• [学会発表] 植物細胞における細胞極性及び分裂方向の決定に関わる分子メカニズム解明のための基礎的研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 伊藤千尋、笹部美知子
  • 学会等名: 東北植物学会第4回大会
  • 発表場所: 山形大学小白川キャンパス
  • 年月日: 2014-12-13 – 2014-12-14
• [学会発表] 植物の細胞分裂を制御するキネシンと相互作用する新規プロテインホスファターゼのシロイヌナズナホモログの解析（２） (2014)
  • 著者名/発表者名: 中田美果子, 大和田理恵, 中野理恵, 町田泰則, 笹部美知子
  • 学会等名: 東北植物学会第4回大会
  • 発表場所: 山形大学小白川キャンパス
  • 年月日: 2014-12-13 – 2014-12-14
• [学会発表] 細胞板形成の鍵因子であるNACK1キネシン及びNPK1 MAPKKKの細胞板形成部位への特異的局在機構の解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 西田結花, 桧垣巧, 馳澤盛一郎, 町田泰則, 笹部美知子
  • 学会等名: 東北植物学会第4回大会
  • 発表場所: 山形大学小白川キャンパス
  • 年月日: 2014-12-13 – 2014-12-14
• [学会発表] シロイヌナズナの側根原基で発現するプロテインホスファターゼの機能解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 大和田理恵, 中野理恵, 南明希, 町田泰則, 笹部美知子
  • 学会等名: 日本植物学会第78回大会
  • 発表場所: 明治大学
  • 年月日: 2014-09-12 – 2014-09-14
• [学会発表] 葉形成に関わるASYMMETRIC LEAVES2タンパク質による核内スペックル形成に必要な領域 (2014)
  • 著者名/発表者名: 町田泰則, Luo Lilan, 石橋奈々子, 笹部美知子, 鈴木崇紀, 栗原大輔, 東山哲也, 町田千代子
  • 学会等名: 日本植物学会第78回大会
  • 発表場所: 明治大学
  • 年月日: 2014-09-12 – 2014-09-14