Pii依存的真性抵抗性をモデルとした、イネの病原菌認識機構と耐病性発現機構の解明

• 研究課題/領域番号: 26850029
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 植物保護科学
• 研究機関: 公益財団法人岩手生物工学研究センター
• 研究代表者: 藤崎 恒喜 公益財団法人岩手生物工学研究センター, 園芸資源研究部, 主任研究員 (30626510)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円); 2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円); 2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円); 2014年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
• キーワード: ETI / Exo70 / Pii / イネ / いもち病菌 / Integrated domain / integrated domain / decoy / Magnaporthe / NOI domain / rice / 病原体認識機構 / エフェクター / イネいもち病菌

研究成果の概要

植物の免疫レセプターには病原体因子と直接結合する外来の挿入ドメイン（ID）を進化的に獲得することで、病原体を認識し、宿主植物に耐病性を誘導する機能を持つものが知られ、IDは宿主－病原体間相互作用を理解する上で重要な情報として近年注目されている。
本研究ではイネの免疫レセプター、Piiの解析を通じ、PiiのIDが病原体因子との結合ではなく、病原体因子が作用する宿主因子の監視に重要な役割を果たす可能性を示した。これはID機能の推測範囲を広げる結果であり、IDの配列情報から、宿主－病原体因子間ネットワークを予測する国際的な試みに大きな波及効果を与えるものである。

研究成果

• [雑誌論文] Whole genome sequencing approaches to understand Magnaporthe-rice interactions. (2016)
  • 著者名/発表者名: Terauchi, R., Kanzaki, H., Fuijsaki, K., Takagi, H., Abe, A., Yoshida, K., Okuyama, Y., Tamiru, M., Saitoh, H.
  • 雑誌名: Physiological and Molecular Plant Pathology 巻: 94 ページ: 1-5
  • DOI: 10.1016/j.pmpp.2016.03.007
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] イネいもち病抵抗性NLR免疫受容体によるエフェクターの認識と抵抗性誘導機構 (2016)
  • 著者名/発表者名: 斎藤宏昌・神崎洋之・藤崎恒喜・高木宏樹・吉田健太郎・寺内良平
  • 雑誌名: 日本植物病理学会報 巻: 82 号: 4 ページ: 296-300
  • DOI: 10.3186/jjphytopath.82.296
  • NAID: 130005250943
  • ISSN: 0031-9473, 1882-0484
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Rice Exo70 interacts with a fungal effector, AVR-Pii and is required for AVR-Pii-triggered immunity (2015)
  • 著者名/発表者名: Fujisaki, K., Abe, Y., Ito, A., Saitoh, H., Yoshida, K., Kanzaki H., Kanzaki, E., Utsushi, H., Yamashita, T., Kamoun, S. and Terauchi, R.
  • 雑誌名: The Plant Journal 巻: 83 号: 5 ページ: 875-887
  • DOI: 10.1111/tpj.12934
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [学会発表] イネの抵抗性因子Pii-2 のNOI/RIN4 ドメインは Pii依存的抵抗性に必要なOsExo70-F3と結合する (2017)
  • 著者名/発表者名: 藤崎恒喜・阿部善子・神崎英子・神崎洋之・斎藤宏昌・寺内良平
  • 学会等名: 日本植物病理学会
  • 発表場所: 盛岡
  • 年月日: 2017-04-26
• [学会発表] The NOI/RIN4 integrated domain of the rice NLR Pii-2 binds to OsExo70-F3, an accessory protein required for Pii-dependent resistance. (2016)
  • 著者名/発表者名: Koki Fujisaki, Yoshiko Abe, Hiromasa Saitoh, Hiroyuki Kanzaki, Hiroki Takagi, Eiko Kanzaki, Aiko Uemura, Sophien Kamoun and Ryohei Terauchi
  • 学会等名: International Society of Molecular Plant-Microbe Interaction
  • 発表場所: Portland, Oregon
  • 年月日: 2016-07-17
  • 国際学会
• [学会発表] The NOI/RIN4 integrated domain of the rice NLR Pii-2 binds to OsExo70-F3, an accessory protein required for Pii-dependent resistance. (2016)
  • 著者名/発表者名: Koki Fujisaki, Yoshiko Abe, Hiromasa Saitoh, Hiroyuki Kanzaki, Hiroki Takagi, Eiko Kanzaki, Aiko Uemura, Sophien Kamoun and Ryohei Terauchi
  • 学会等名: International congress of Molecular Plant-Microbe Interactions
  • 発表場所: Portland, USA
  • 年月日: 2016-07-17
  • 国際学会
• [学会発表] イネいもち病菌の非病原性因子AVR-Piiの亜鉛結合モチーフはAVR-Piiの安定な機能的構造形成に必須の役割を果たす (2016)
  • 著者名/発表者名: 藤崎恒喜・吉田健太郎・阿部善子・神崎洋之・斎藤宏昌・寺内良平
  • 学会等名: 日本植物病理学会
  • 発表場所: 岡山
  • 年月日: 2016-03-21
• [図書] 感染と防御をめぐる新潮流 ISSN : 1345-8086 (2015)
  • 著者名/発表者名: 斎藤宏昌・神崎洋之・藤崎恒喜・高木宏樹・吉田健太郎・寺内良平
  • 総ページ数: 152
  • 出版者: 日本植物病理学会