発熱植物ザゼンソウの温度受容機構におけるクロマチンサーモスタットモデルの検証

• 研究課題/領域番号: 26850065
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 応用生物化学
• 研究機関: 宮崎大学
• 研究代表者: 稲葉 靖子 宮崎大学, テニュアトラック推進機構, 助教 (80400191)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円); 2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円); 2014年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
• キーワード: 植物 / 遺伝子 / 発現制御 / 呼吸 / ミトコンドリア / 発熱 / 温度受容 / 発熱制御

研究成果の概要

発熱植物ザゼンソウの場合、低温を受容した後、発熱誘導という形で作用を発揮して、氷点下を含む寒冷環境下でも花の体温を20℃前後に維持できる。本研究では、シロイヌナズナで見出だされた「クロマチンサーモスタットモデル」がザゼンソウにおける迅速な温度受容機構に適用できるのではないかと考え、ザゼンソウの温度受容と発熱応答をつなぐ機構の解明を目指して研究を行った。その結果、発熱前の花と活発に発熱する花のトランスクリプトーム比較解析により、発熱する花での発現が高い転写因子群が特定され、本研究のターゲット遺伝子FLOWERING LOCUS Tと類似した遺伝子プロファイルを持つ複数の転写因子の特定に成功した.

研究成果

• [雑誌論文] Ubiquitin-proteasome dependent regulation of GLK1 in response to plastid signals in Arabidopsis. (2017)
  • 著者名/発表者名: Tokumaru, M., Adachi, F., Toda, M., Ito-Inaba, Y., Yazu, F., Hirosawa, Y., Sakakibara, Y., Suiko, M., Kakizaki, T., Inaba, T.
  • 雑誌名: Plant. Physiol. 巻: 173 号: 1 ページ: 524-524
  • DOI: 10.1104/pp.16.01546
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Characterization of two PEBP genes, SrFT and SrMFT, in thermogenic skunk cabbage (Symplocarpus renifolius). (2016)
  • 著者名/発表者名: Ito-Inaba, Y., Masuko-Suzuki, H., Maekawa, H., Watanabe, M., and Inaba, T.
  • 雑誌名: Sci. Rep. 巻: 6 号: 1 ページ: 29440-29440
  • DOI: 10.1038/srep29440
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Specific and efficient targeting of cyanobacterial bicarbonate transporters to the inner envelope membrane of chloroplasts in Arabidopsis. (2016)
  • 著者名/発表者名: Uehara, S., Adachi, F., Ito-Inaba, Y. and Inaba, T.
  • 雑誌名: Frontiers in Plant Science 巻: 7 ページ: 1-8
  • DOI: 10.3389/fpls.2016.00016
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Thermogenesis in skunk cabbage (Symplocarpus renifolius): New insights from the ultrastructure and gene expression profiles (2014)
  • 著者名/発表者名: Ito-Inaba, Y.
  • 雑誌名: Advances in Horticultural Science 巻: 28 ページ: 73-78
  • NAID: 120007121258
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Targeting of a polytopic membrane protein to the inner envelope membrane of chloroplasts in vivo involves multiple transmembrane segments. (2014)
  • 著者名/発表者名: Okawa, K., Inoue, H., Adachi, F., Nakayama, K., Ito-Inaba, Y., Schnell, D.J., Uehara, S. and Inaba, T.
  • 雑誌名: J. Exp. Bot. 巻: 65 号: 18 ページ: 5257-5265
  • DOI: 10.1093/jxb/eru290
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [学会発表] 発熱植物ソテツ（Cycas revoluta）におけるシアン耐性呼吸酵素の解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 稲葉靖子、片山陽子、倉山侑也、溝口幸一郎、稲葉丈人
  • 学会等名: 第58回 日本植物生理学会
  • 発表場所: 鹿児島大学（鹿児島）
  • 年月日: 2017-03-16
• [学会発表] 植物の花による熱産生 ザゼンソウとソテツの研究から見えてきた新視点 (2016)
  • 著者名/発表者名: 稲葉靖子
  • 学会等名: 第1回Biothermology Workshop 生命システムの熱科学
  • 発表場所: 岡崎コンファレンスセンター（愛知）
  • 年月日: 2016-12-10
  • 招待講演
• [学会発表] 裸子植物ソテツ（Cycas revoluta）の発熱機構に関する研究 (2016)
  • 著者名/発表者名: 稲葉靖子、倉山侑也、溝口幸一郎、岡杏里砂、前川春彦、稲葉丈人
  • 学会等名: 日本農芸化学会 西日本支部大会
  • 発表場所: 長崎大学（長崎）
  • 年月日: 2016-09-15
• [学会発表] サトイモ科発熱植物ザゼンソウ由来プロトプラストの調製と高効率形質転換法の確立 (2016)
  • 著者名/発表者名: 前川春彦、稲葉靖子
  • 学会等名: 日本農芸化学会 西日本支部大会
  • 発表場所: 長崎大学（長崎）
  • 年月日: 2016-09-15
• [学会発表] 水中栽培法を用いたシロイヌナズナの凍結耐性評価系の確立 (2016)
  • 著者名/発表者名: 三原良太、上村沙織、稲葉靖子、稲葉丈人
  • 学会等名: 日本農芸化学会 西日本支部大会
  • 発表場所: 長崎大学（長崎）
  • 年月日: 2016-09-15
• [学会発表] ソテツの発熱機構におけるミトコンドリアの役割：裸子植物と被子植物の相違について (2016)
  • 著者名/発表者名: 稲葉靖子、岡杏里砂、前川春彦、稲葉丈人
  • 学会等名: 日本植物生理学会2016年度年会
  • 発表場所: 岩手大学（盛岡）
  • 年月日: 2016-03-18
• [学会発表] シロイヌナズナにおけるシアノバクテリア重炭酸イオン輸送体SbtAの葉緑体内包膜へのターゲティング (2016)
  • 著者名/発表者名: 上原晋，安達ふみ，稲葉靖子，稲葉丈人
  • 学会等名: 日本植物生理学会2016年度年会
  • 発表場所: 岩手大学（盛岡）
  • 年月日: 2016-03-18
• [学会発表] シロイヌナズナにおけるプラスチドシグナルと植物ホルモンの相互作用の解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 廣澤嘉洸，多田朱里，稲葉靖子，松浦恭和，森泉，稲葉丈人
  • 学会等名: 日本植物生理学会2016年度年会
  • 発表場所: 岩手大学（盛岡）
  • 年月日: 2016-03-18
• [学会発表] プラスチドシグナル伝達におけるCONSTANS-LIKE タンパク質の役割 (2016)
  • 著者名/発表者名: 川尻果林，矢津芙美子，安達ふみ，西田文香，稲葉靖子，柿崎智博，稲葉丈人
  • 学会等名: 日本植物生理学会2016年度年会
  • 発表場所: 岩手大学（盛岡）
  • 年月日: 2016-03-18
• [学会発表] Specific and efficient targeting of cyanobacterial bicarbonate transporters to the inner envelope membrane of chloroplasts in Arabidopsis. (2015)
  • 著者名/発表者名: Uehara, S., Adachi, F., Ito-Inaba, Y. and Inaba, T.
  • 学会等名: International Symposium on Biomolecular Sciences
  • 発表場所: ANA Holiday Inn Resort Miyazaki (Miyazaki)
  • 年月日: 2015-12-17
  • 国際学会
• [学会発表] 体温の調節ができる夢の植物を創る？－ザゼンソウの発熱分子機構に関する研究－ (2015)
  • 著者名/発表者名: 稲葉靖子
  • 学会等名: 第38回日本分子生物学会年会、第88回日本生化学会大会 合同大会
  • 発表場所: 神戸ポートアイランド（神戸）
  • 年月日: 2015-12-03
  • 招待講演
• [学会発表] プラスチドシグナル誘発処理に対する植物ホルモン生合成経路の応答 (2015)
  • 著者名/発表者名: 廣澤嘉洸，多田朱里，稲葉靖子，松浦恭和，森泉，稲葉丈人
  • 学会等名: 日本農芸化学会2015年度中四国・西日本支部合同大会
  • 発表場所: 愛媛大学（松山）
  • 年月日: 2015-09-17
• [学会発表] シロイヌナズナの水中栽培法を用いた低温馴化機構の解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 上村沙織，稲葉靖子，稲葉丈人
  • 学会等名: 日本農芸化学会2015年度中四国・西日本支部合同大会
  • 発表場所: 愛媛大学（松山）
  • 年月日: 2015-09-17
• [学会発表] ナトリウムイオン依存型重炭酸イオン輸送体を発現するシロイヌナズナの解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 上原晋，安達ふみ，稲葉靖子，稲葉丈人
  • 学会等名: 第39回蛋白質と酵素の構造と機能に関する九州シンポジウム
  • 発表場所: 豊泉荘（別府）
  • 年月日: 2015-09-10
• [学会発表] Ubiquitin-proteasome dependent regulation of GLK1 protein accumulation in response to plastid signals in Arabidopsis. (2015)
  • 著者名/発表者名: Inaba, T., Tokumaru, M., Adachi, F., Toda, M., Ito-Inaba, Y., Yazu, F., Sakakibara, Y., Suiko, M. and Kakizaki, T.
  • 学会等名: Annual Meeting of the Society for Experimental Biology
  • 発表場所: Prague (Czech Republic)
  • 年月日: 2015-07-01
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] フロリゲンに着目したサトイモ科発熱植物ザゼンソウの開花生理に関する研究 (2015)
  • 著者名/発表者名: 稲葉靖子、増子潤美、渡辺正夫、稲葉丈人
  • 学会等名: 園芸学会春季大会
  • 発表場所: 千葉大学（千葉県、千葉市）
  • 年月日: 2015-03-29
• [学会発表] 発熱植物ザゼンソウにおけるPEBP遺伝子ファミリーの同定および解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 稲葉靖子、増子潤美、前川春彦、渡辺正夫、稲葉丈人
  • 学会等名: 日本農芸化学会
  • 発表場所: 岡山大学（岡山県、岡山市）
  • 年月日: 2015-03-26 – 2015-03-27
• [図書] Atlas of Plant Cell Structure (2014)
  • 著者名/発表者名: Sato, M., and Ito-Inaba, Y.
  • 総ページ数: 202
  • 出版者: Springer
• [備考] 宮崎大学テニュアトラック推進機構
  • URL: http://www.miyazaki-u.ac.jp/ttkikou/tt-res/y_inaba/
• [備考] Organization for Promotion of Tenure Track
  • URL: http://www.miyazaki-u.ac.jp/ttkikou/en/tt-res/yasuko-ito-inaba-ph-d/
• [備考] 宮崎大学テニュアトラック推進機構
  • URL: http://www.miyazaki-u.ac.jp/ttkikou/en/tt-res/yasuko-ito-inaba-ph-d/