研究課題
若手研究(B)
正常粘膜から直接発生したde novo癌は陥凹型の発育を来たし、生物学的悪性度が非常に高く予後不良である。申請者は独自に陥凹型早期大腸癌辺縁の正常粘膜に微小血管が増生することを発見し、de novo発癌の超初期像であると着想した。本研究は当施設が独自に確立した培養系、悪性形質評価系を用いて、この内視鏡所見と腫瘍血管特異的な分子機構を明らかとし、de novo発癌における特異的な悪性形質獲得機構を検討し、さらには発癌機構を解明することを目的とする。本成果は発癌予防だけでなく、内視鏡による悪性度評価体系を確立することで腫瘍血管特異的な分子標的薬の開発にもつながることが期待される。本研究では1)新生血管を伴う早期陥凹型大腸癌の形質解析、2)正常粘膜表層の新生血管内皮細胞形成解析、3)新生血管分類による大腸癌悪性度評価体系の構築を中心課題に据え、de novo発癌における悪性形質獲得機構を解明することを目的とした。本年度は本研究に対して倫理審査委員会に審議され承認された。腫瘍の粘膜下への浸潤にはAtoh1発現が関与し、Atoh1陽性がん細胞から血管遊走因子が分泌されるなど、がん浸潤と血管新生の分子機構が存在することが示唆された。今後陥凹を形成する細胞極性に関して解析を行うことで、がんの進展指向性と悪性度との関連が明らかになることが期待され、大腸がんの粘膜下への進行を未然に防ぐことへの基盤としたい。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件)
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