研究課題/領域番号 |
26860632
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
藤倉 知行 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (00444349)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2014年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | シスプラチン / murine double minute2阻害薬 |
研究実績の概要 |
シスプラチン(CDDP)は固形癌に対する標準的化学療法の第1選択薬として用いられるが、腎障害と骨髄抑制の副作用のためその使用量・期間が制限されている。murine double minute2(MDM2)阻害薬は、癌抑制蛋白質であるp53の作用増強を介して抗腫瘍効果を発揮する新規抗腫瘍薬である。本研究の目的は、MDM2阻害薬のCCDP腎症軽減効果及びそのメカニズムを検討することである。 雄性SDラットにCDDP(5mg/kg)、および生理食塩水(コントロール群)を静注し、急性腎障害を惹起した。それぞれの群においてMDM2阻害薬(DS5272)、またはVehicleを投与して腎障害改善効果を検討した。MDM2阻害薬は、Day 3において有意にクレアチニン(Cre)の上昇を抑制し、Day 5・10においては抑制傾向(有意差なし)を示した。組織障害の評価においては、MDM2阻害薬はDay 3・5においてTubular Injury Scoreを有意に改善した。 次に副作用の有無を検討するため、Day 10において血算を測定した。ヘモグロビン濃度においてはCDDP単剤、MDM2阻害薬単剤、両剤併用において差はなかった。白血球・血小板においては、CDDP投与による有意な減少は見られたが、両剤併用時に更なる減少は見られず、有意な骨髄抑制増強作用は観察されなかった。 これらのことから、担癌患者におけるシスプラチン治療において、MDM2阻害薬は抗腫瘍効果を増強しながら腎障害を軽減する可能性が示唆された。さらなる解析、機序解明は今後の検討課題である。
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