研究課題
若手研究(B)
研究開始当初の平成26年には、透析療法に至っている患者数は、全国で30万人を越え、今後糖尿病の増加、高齢化が加わり、さらに透析患者の増加が予想される。特に急性腎不全は、患者の高齢化などにより発症頻度は高まっており、ICU入院患者の20%で発症するといわれている。急性腎障害をおこした場合長期的な腎機能低下と生命予後の低下が起こる。この急性腎障害の病態解明と対策をはかった。今回の研究では、腎臓におけるオートファジーやミトコンドリアのオートファジーであるマイトファジー(Mitophagy)について急性腎障害での役割について検討し報告した。Small Heat Shock Protein Beta-1 (HSPB1)がミトコンドリアを保護しオートファジーを促進することを報告した。オートファジーを誘導し、ミトコンドリアの保護作用のある安全な薬剤があれば、急性腎障害の新規の薬剤となる可能性があり、その候補としてALA(5-aminolevurinic acid)の腎保護作用とそのメカニズムについて検討を加え報告した。ラットを用いたシスプラチン腎障害モデルでALAと鉄を経口投与するとCr,BUNCHの上昇が顕著に軽減され、AKI防止効果を有することを見いだした。組織学的検討でも尿細管の障害は抑制され、ALAは尿細管障害を軽減することを報告した。
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PLOS one
巻: 10 号: 5 ページ: e0126229-e0126229
10.1371/journal.pone.0126229