研究課題
若手研究(B)
大腸癌の病勢と相関する血清中exosome内microRNAを選定する目的で、大腸癌切除後の無再発症例および再発症例の経時的に採取した血清を用い、exosome内よりmicroRNAを含むRNAを抽出しmicroRNA アレイを施行した。原発巣切除前後・転移巣切除前後の病勢の変化と同期するmicroRNAを比較解析して選定した。大腸癌原発巣におけるmicroRNAアレイにて、増幅や欠失と発現量に相関を認めるmicroRNAについての解析からの既知の報告と矛盾しないという点で、増幅と発現に相関を認めるクラスターmiR17-92クラスターについて多数症例で検証を行った。17-92クラスターに属するmicroRNAに関して、健常人12例および大腸癌症例90例の血清を用い、血清中exosome内microRNAの発現定量を行った。健常人と比較し大腸癌患者血清中エクソソーム内では、17-92クラスターに属するmicroRNAのうち、miR-19aとmiR-92aが有意差をもって高発現であるという結果を得た。さらに血清中exosome内のmiR-19aの発現は、StageⅠからStageⅣまでの各病期大腸癌症例においても健常人と比較して高発現であり、大腸癌症例の臨床病理学的因子との関連性を解析でも深達度・リンパ管侵襲・肝転移・Stageの因子において高発現の傾向であった。この結果の検証については、健常人16例および大腸癌症例209例の血清中exosome内のmiR-19aの発現による二群分けで全生存期間および無再発生存期間についてKaplan-Meier法で解析したところ、血清中exosome内のmiR-19a低発現群に比較し高発現群において全生存期間および無再発生存期間ともに短いという結果であった。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)
British Journal of Cancer
巻: In press 号: 3 ページ: 532-538
10.1038/bjc.2014.621
