研究課題
若手研究(B)
申請者が2015年3月よりIgG4関連疾患の病態解明に向けた共同研究のため米国のRagon Instituteへ短期留学し、引き続きその病態解明に向けたCD4+T細胞について解析をすすめた。IgG4-DS 患者の唾液腺と、比較対象として慢性顎下腺炎 (CS)と健常者 の顎下腺を用いて遺伝子発現をMicroarray法にて網羅的に解析した。IgG4-DSとCSを比較するとIgG4-DSにおいて、935遺伝子が有意に発現上昇しており、516遺伝子が有意に発現低下していた(P<0.05)。CD4陽性細胞に関連する遺伝子をpick upすると、IgG4-DS では CS や HC と比較して、CD4+cytotoxic lymphocytes と T Follicular helper cells 関連遺伝子の発現上昇を認めた。異所性の胚中心形成に関連があるとされる TFH 関連遺伝子の発現が上昇していることは、以前我々が報告した研究成果と一致していた (Ann Rheum Dis. 2012 Dec; 71(12):2011-2019.)。従来病変組織でタンパクの発現を Western blot や ELISAs などでその発現をみることはあったが、実際の産生細胞の同定にはいたらず、また病因にせまることはできなかった。そこで今回は蛍光多重免疫染色法 (3~4重染色)を用いることで病変組織で、異所性胚中心形成に深く関与する可能性のある TFH 細胞を direct に特定することを試みた。その結果 IgG4-DS の異所性胚中心形成部周囲にCD4+CXCR5+TFH細胞の浸潤を確認し、CD4+GATA3+TH2細胞は病変組織にびまん性に浸潤していることを明らかにした。IgG4-RDの病変組織では特異なCD4+T細胞が病態形成を担っていることを明らかにした。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)
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