研究課題
若手研究(B)
骨粗鬆症の治療法は多様に存在するがBisphosphonate 製剤(以下:BP製剤 )が有効な治療薬となっている。しかし,BP製剤を投与されている患者に顎骨壊死(Bisphosphonate-Related Osteonecrosis of the Jaw:以下BRONJ)が起こる事例が報告されており、その治療法を確立するために本研究を開始した。in vitro の成果:TLR にLPS 刺激を行うと、 MyD88 が誘導され炎症性サイトカインを産生する。科研費申請書に報告したようにBP製剤投与下にて、マクロファージ様細胞株における炎症性サイトカインの産生増加を認めている。今回、マクロファージ様細胞株と骨芽細胞様細胞株を使用し、BP製剤投与下にてTLR シグナルの変化を検索した。TLRの発現量に変化は認めなかったが、LPS 刺激時のMyD88 の誘導増加を認め、それ以降のシグナル伝達量の増加を確認した。また、マウスマクロファージから破骨細胞への分化に対するBP製剤の影響として、破骨細胞への多核化阻害を認めた。さらに、破骨細胞前駆細胞におけるTLR シグナル変化を検索している途中であった、in vivo では、BP 製剤投与ラットを用いて、頭頂骨にLPS 刺激を行い、骨吸収の評価を行っていたが実施期間が短かったため、十分なデータを得ることができなかった。