豪雨災害被災者の生活再建の過程で生じた心理的影響とその支援を明らかにし、豪雨災害後の長期的なメンタルヘルスについて検討した。2011年紀伊半島大水害の被災者の協力を得て半構造化面接を行い、質的帰納的に分析した。 被災後約1ヶ月が経過する頃より、暮らしの変化や様々な課題と直面する中で、被災者は不安や孤独感、ストレスや精神的不調を感じるようになっていた。それらの不調について、家族や友人による見守りや災害ボランティアによる継続的関わり、同じ境遇にある被災者の存在が支えとなっていた。豪雨災害後の長期的なメンタルヘルスとして、支援者とのつながりの維持や被災者同士の体験の共有が重要になると考えられた。
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