研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は,地域で生活する精神障害者及び家族の生活の質の向上のため,市町村の福祉部門に所属する保健師の精神保健福祉活動における予防的対応を念頭に置いた個別支援評価指標開発に向けて項目原案を作成することである.保健師の分散配置が進み,福祉部門で精神保健福祉活動を行うことも増え,所属部署や経験年数に関わらず,保健師本来の予防的対応を念頭に置いた精神保健福祉活動を実施できることが重要と考える.筆者は,保健部門の保健師による精神保健活動における個別支援の実態を明らかにする研究を実施した.その先行研究を活かし,市町村の福祉部門の保健師の予防的対応を念頭に置いた個別支援評価指標の項目原案の作成に取り組んだ.本研究は3つの調査により構成される.本年度は2年目として,引き続き調査1に取り組んだ.調査1では,市町村の福祉部門の保健師による精神保健福祉活動における個別支援の実態の把握を目的としている.方法として,国内外の文献および先行研究の知見の整理を行うとともに,本研究に関連する学術集会等に積極的に参加し,本研究に関連する意見交換や情報収集を行った.特に,国際学会に参加することで,国外の精神保健福祉活動の実態についての情報収集をすることができた.また調査自治体の選定にあたっての情報収集も積極的に行った.さらに,調査1の文献検討で整理した,福祉部門の保健師による精神保健活動における個別支援の実態に関する知見を,筆者の先行研究と比較し,調査2の準備を行った.