液体水素と超電導機器を組み合わせて利用するエネルギーシステムが広く検討されているが,液体水素を超電導機器の冷媒として用いた例は少なく,液体水素冷却超電導機器の実現可能性の検討が不十分である。高温超電導コイルを液体水素で冷却した際,発生した擾乱と通電発熱によってコイル各部の温度変化が起こるが,既往の研究では超電導線材長手方向の熱伝導だけを考慮した検討がなされていたため,パンケーキ状に巻かれた実際のコイルの温度分布を正確に考慮できていなかった。本研究では,超電導線材長手方向および線間方向の2次元の熱伝導を考慮することで,より正確な液体水素冷却高温超電導コイルの運転条件を明らかにした。
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