本研究では、環境問題の成否を「生存基盤の確保」という側面から評価するための方法論を構築することを目指し、具体的事例として、北インド・ウッタラーカンド地方におけるチプコー(森林保護)運動とテーリー・ダム反対運動をとりあげて検討した。本研究の全体としての成果は英文単著にまとめて刊行予定である。このうち例えばチプコー運動に関しては、ウッタラーカンド地方の森林管理のあり方が運動前後でどう変化し、その変化に際し運動がどう寄与していたかという問題設定をしたうえで分析を行い、域外民間企業による森林伐採を阻止したのは運動の大きな成果であったことなどを明らかにした。
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