2009年における南極昭和基地の有人観測による降雪記録に基づき、客観解析気象データによる気圧・比湿のデータ解析から、降雪時に特徴のある気圧パターンを抽出できた。しかしながら、降雪量の違いについては気圧や比湿の空間分布からは推定が難しく、この問題に対して、衛星観測による雲画像データから水蒸気量としてのパラメータとなりうるか検討を行った。結果、南極内陸上まで侵入する擾乱システムに伴う雲の検出に成功し、28件中5件の特に降雪量の多かったブリザードイベント時に同様な雲が検出できた。今後はこのような降雪に影響の大きな雲を自動検出し、水蒸気量へ変換することで各イベントの重み付けを実施する予定である。
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