応募時の研究計画書でも言及している通り、本研究課題に関する研究及び調査はH26年10月から開始された。 H26年度は、ルクセンブルク語における動詞の形態論に重点を置いて研究を行い、12/13 北海道ドイツ文学会(北海道大学)で研究発表を行った。また、2/16-3/3 にルクセンブルク大学に現地調査・資料収集に赴いた。 現地調査では、合計15人の母語話者に対し、上の研究発表の際に課題として残った過去分詞の揺れに関する調査、及び来年度の研究計画を進めるにあたって不可欠な過去形の衰退に関するパイロット調査を行った。帰国後、それをもとに言語調査表に微調整を加え、3/20 にルクセンブルクラジオテレビ局(RTL)の HP に告知を出させていただき、より大々的に調査協力者を募った。現在、徐々に集まりつつあるデータの分析を進めているところである。同調査及びその分析結果について、5/31 ドイツ文法理論研究会での発表を予定している(発表確定)。資料収集は、ルクセンブルク大学附属図書館やルクセンブルク国立図書館の他にルクセンブルク大公国研究所にて行った。 申請時は、同大学のコロキウムで研究発表をする計画を立てていたが、企画担当者と相談したところ、この度は本研究課題より前に取り組んでいたテーマでの発表が望ましいとの申し出があったため、それに従って発表した(2/24 ""Schub- und Sogkette"? - eine Hypothese systematischer Entwicklungen der luxemburgischen Vokale")。しかしながら、現地の研究者に研究の進捗状況を報告でき、交流を深められたことは、今後の研究活動を円滑に進めていくためにも重要な意義を持つ。 以上、H26年度は、概ね申請時の研究計画の通りに研究活動を進めることができたと言える。
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