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叙事詩・神話・社会をめぐるオウィディウス『変身物語』の包括的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26884053
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分補助金
研究分野 ヨーロッパ文学
研究機関東海大学

研究代表者

河島 思朗  東海大学, 文学部, 講師 (80734805)

研究期間 (年度) 2014-08-29 – 2015-03-31
研究課題ステータス 完了 (2014年度)
配分額 *注記
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2014年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードオウィディウス / 『変身物語』 / ラテン文学 / 神話 / 古代ローマ / アウグストゥス
研究実績の概要

本年度の研究第一に、オウィディウス『変身物語』がいかなる性質の叙事詩であるかについて考察を進めた。具体的には、個々の物語分析を進めると共に、作品全体の統一的な主題についての考察をおこなった。『変身物語』は、全体を大きく3つの部分に分けることができる。さらにそのなかに数行から数百行に及ぶ多様な物語群が含まれる。本研究の第一の論点は、個々の物語の解釈にある。それぞれ独立した物語がどのような意味を持つのかを重視しながら、その意味の集合体として、統一的主題を見出すことを試みている。本年度の研究においては、作品が世界の始まりから同時代にいたる歴史叙事詩としての性質を持つことに着目し、全3部の構成を確認しながら、作品の統一性に一定の理解を提示することができた。この成果は、博士論文のなかで詳述する予定である。また、個々の物語理解の成果の一端として、「ナルキッソスとエーコーの物語」に新たな解釈の提示した。
第二に、『変身物語』が神話を集めた物語集であることに着目し、当時の社会における神話および宗教の意義について分析をおこなった。当時のローマは、共和政から帝政への過渡期にあり、内乱の時代が終焉を迎え、大帝国を形成した時期であった。そのような時代背景の中で、既存の宗教、すなわち神話を基礎とする伝統的神々への信仰が、混沌のなかで薄れていく。『変身物語』はそのような時代背景を意識しながら、叙事詩として神話物語集を作ったのではないかと仮定している。この仮定の裏づけとして、当時の社会背景、宗教的な背景を分析した。そのなかで、アウグストゥスの宗教改革、当時の民間信仰、『変身物語』の共通点を見出した。とりわけアポロン信仰、イシス信仰、ミトラ教などとの共通点は重要な要素として位置づけられる。またこのことは、ローマでの実地調査のなかで、一端を確認することができた。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(1件)
  • 2014 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 書評:M. Fantuzzi, Achilles in Love: Intertextual Studies. Oxford UP 2012.2015

    • 著者名/発表者名
      河島思朗
    • 雑誌名

      西洋古典学研究

      巻: 63 ページ: 99-101

    • 関連する報告書
      2014 実績報告書
  • [学会発表] オウィディウス『変身物語』における恋の哀しみ――ナルキッソスとエーコーの物語再考――2015

    • 著者名/発表者名
      河島思朗
    • 学会等名
      第298回 東海大学文学部「知のコスモス」、ヨーロッパ文明学科シンポジウム「ヨーロッパの喜怒哀楽」
    • 発表場所
      東海大学湘南校舎(神奈川県)
    • 年月日
      2015-01-21
    • 関連する報告書
      2014 実績報告書

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公開日: 2014-09-09   更新日: 2016-06-01  

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