PISAやSACMEQといった国際比較を意図する学力調査のデータを用いて、日本をはじめとする先進国および途上国における数学学力の特徴を読解力といった言語的な立場から調べた。SACMEQのデータ分析から、①国内における読解力との関連性の大きさと数学学力の水準は正の相関関係にあること、②読解力の正方向の関連性が大きい国は難しい項目の識別力が高く、小さい国はその逆であることが分かった。PISAのデータ分析から、①読解力と数学学力の関連性が大きい国は、数学学力の水準が高く、逆に小さい国は数学学力の水準が低いこと、②先進国は途上国よりも、特定の項目において読解力の水準の違いが現れやすいことが示された。
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